VW、米市場でようやく勢い〜ファミリー向けSUVが課題

 独フォルクスワーゲン(VW)が過去数十年の浮き沈みを経て、米市場でようやく勢いをつけ始めた。

 デトロイト・フリー・プレスによると、VWの市場シェアは依然として小さいが、2012年の米販売は前年比35%増の43万8133台を記録し、シェアを3%に押し上げた。VWは過去33年間、米販売の30万台超えを5回しか記録していない。93年には5万台を下回り、シェアが0.4%まで落ち込んで市場からの撤退が議論された。

 VW米部門のレイナー・ミッチェル副社長によると、ブランドの勢いを持続させるためには、フォード「エクスプローラー」やホンダ「パイロット」に対抗する手頃な価格のSUVが必要だ。ミッチェル氏はVWが「依然としてセダンに頼っている」と説明する。

 乗用車の場合、「パサート」「ゴルフ」「ビートル」はいずれも米国仕様だが、SUVの小型版「ティグアン」と高級版「トゥアレグ」は輸入で、両車間の大きなギャップを埋めるファミリーサイズのSUVが不在だ。VWはその解決策として、北米国際自動車ショーで試作車「クロスブルー」を公開した。

 クロスブルーの生産は、テネシー州チャタヌーガの新工場が有力視されている。VWは18年までに、VW車を80万台、アウディ車を20万台販売する目標を掲げているが、12年は計57万7443台にとどまっており、SUVの投入は不可欠だ。

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