ソーラー発電量、76%拡大〜12年の米国、3.3GW増
- 2013年3月20日
- 米国ビジネス
米国では2012年、太陽光・太陽熱による発電量が他のエネルギー源をしのぐ勢いで増え、前年比76%増となる3.3ギガワット(GW)超の発電能力が加わったことが、米国太陽エネルギー産業協会(SEIA)とGTMリサーチの集計で分かった。市場規模は34%増の115億ドルに拡大した。
リニューワブル・エナジー・ワールドによると、12年は世界で新規導入された設備の11%(出力換算)を米国が占め、住宅市場の設置件数は8万3000件に上ったほか、太陽光発電(PV)装置の大規模導入10件のうち8件は年内に完成した。その結果、米国のPV設置容量は累計で原子力発電所7つ分に相当する7.2GWに達し、13年末までには10GWを超える見通しとなった。
PV設置容量は住宅、非住宅(商業建造物)、大規模設備の3部門すべてで大きく伸びており、12年は住宅部門の新規導入が前年比62%増の488メガワット(MW)、非住宅部門が26%増の1.04GW、 大規模設備部門は134%増の1.78GWに上った。
州別ではカリフォルニア(1.033GW)がトップで、アリゾナ(710MW)、ニュージャージー(415MW)、ネバダ(198MW)、ノースカロライナ(132MW)と続いた。ノースカロライナやアリゾナは初めて上位5州に入った。
12年は集光型太陽熱発電(CSP)市場でも大きな進展があり、コジェントリックス(Cogentrix、ノースカロライナ州)がコロラド州アラモサに建設した施設(30MW)が稼働したほか、ブライトソース・エナジー(Brightsource Energy、カリフォルニア州)の同州イバンパの施設(392MW)も順調に工事が進んでいる。
一方、ソーラー設備の価格は全般的に下がっており、12年の全米平均は1ワット当たり3.01ドルと前年の4.10ドルから26.6%低下した。中国メーカーは太陽電池(パネル)の価格を低く保っているため、SEIAとGTAは、輸入関税が今後の価格に大きな影響を与えることはないとみている。
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