化石燃料の世界需要は依然高い〜WEF報告書

 代替エネルギー発電が注目されているとはいえ、化石燃料の世界需要は依然として大きく伸びていることが、世界経済フォーラム(WEF)の最新報告書で分かった。

 エナジー・マネジャー・トゥデイが伝えたWEF報告書「Energy Vision 2013-Energy Transitions: Past and Future」によると、エネルギー需要の約87%は石油、石炭、天然ガスで賄われ、原子力を含めると92%を超える。

 世界が直面するエネルギーの課題は、最先端のエネルギーが利用できない13億人が住む新興市場で急速に高まる電力需要をいかに満たすかにある。各国とも、二酸化炭素(CO2)排出量が少なく再生可能な代替エネルギーの利用に注目しているが、風力や太陽光、地熱その他の水力を除く再生可能エネルギーは世界消費量の約1.6%しか発電していない。

 一方で報告書は、水力発電の世界構成比が2011年の16%から20年までに30%に伸びると予想している。

 しかし、代替エネルギー発電が火力発電(化石燃料)のシェアを奪うには、特に風力やソーラー(太陽光・熱)発電でコスト競争力が重要になる。ただ輸送部門では、今後15〜20年間に引き続き石油の需要が伸びる一方、温室効果ガス(GHG)排出量が少ない燃料のコスト競争力とコスト効果が高まる見通しだ。

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