カーレント・サージカル、革新的ながん治療用「スマート」針を開発 ~ 非常に高い精度で腫瘍だけを熱焼灼

ワシントンDC拠点の新興企業カーレント・サージカル(Current Surgical)は、がん治療に革新をもたらす技術を開発中だ。

テッククランチ誌によると、2020年設立のカーレント・サージカルは、患部周囲の臓器や組織を傷つける可能性のある侵襲的術式や、患者への負担の大きな化学療法および放射線療法に代わる「スマート」針の開発と生産に取り組んでいる。

同技術は、悪性腫瘍を破壊する熱焼灼(ねつしょうしゃく)と呼ばれる方法(過程)を応用している。同社のスマート針は、既存の治療針の使用にもとづいて構築されているが、従来の針とはくらべものにならないほど高い精度で患部だけを熱焼灼治療できる。

「この技術には、体内のあらゆる場所の腫瘍を正確かつ確実に治療できるという利点がある」と同社は説明する。「われわれは同技術を製品化するために、医師たちが患部周囲の健康な部分を損傷することなくリアルタイムで腫瘍を確認しながら破壊できる新型の超音波検知器を使った新たな技術集合体を開発している」。

同社によると、同技術は、慢性疼痛や心不整脈を含むほかの疾患にも効果がある。実用化にはいくつかの段階を経る必要があるものの、応用性があることから市場性が有望視される。

共同創設者のアリレザ・マシャールCEOとクリス・ワグナー最高技術責任者は、同社のスマート針を「ソフトウェアで実現する手術プラットフォーム」と表現する。ソフトウェアによって用途や効果を変えることができるためだ。

カーレント・サージカルは2月21日、そういった可能性を背景に、トゥルー・ベンチャースが主導したシード・ラウンドの資金調達で320万ドルを集めたことを発表した。累計調達額はそれによって400万ドルに達した。

カーレント・サージカルは、今後24ヵ月に電気や機械、超音波を含む幅広い分野の工学者ら6~8人を採用し、開発と臨床試験、製品化を加速させるのに今回の調達資金を投じる方針だ。

「われわれは、同技術に関する規制や試験、そのほかの手続きを確認するために食品&医薬品局(FDA)と近く会うことになるだろう」と同社は話した。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. こどもの進学の資金集め、老後の生活など、さまざまな理由で資産運用を始めたい人のために、アメ...
  2. パンデミックの終焉とともに、今年の春以降、各国間の交流が再開した。そして私は5月、日本の某学校法人...
  3. フロリダ、パームビーチで 石川啄木の短歌は胸に沁みる。「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの...
  4. イヌワシやハヤブサなど、絶滅の危機に瀕している生物も多数生息するダイナソール州立公園 アルバ...
  5. プロベート(検認手続き)とは 長くアメリカに住んでいる方にもあまりよく知られていませ...
  6. 2023年 ヘルスケアのトレンド コロナウイルス感染症による長いパンデミックを経て生...
  7. 突然のパートナーの海外赴任辞令・・・ 日本での職を離れ帯同したものの、アメリカでも働き続け...
  8. 2023年6月9日

    バトンを持って走る
    フラワードレス 昨年から今年初めにかけて、我々世代のオピニオンリーダーや、アイドル的存在だっ...
ページ上部へ戻る