業務手順の自動化支援技術を提供する新興企業サービスナウ(ServiceNow、カリフォルニア州サンタ・クララ拠点)は5月17日、生成人工知能を活用するためにエヌビディア(Nvidia)と提携したことを明らかにした。
ベンチャービート誌によると、サービスナウは同提携を通じて、さまざまの業務用機能のための生成人工知能(generative artificial intelligence)モデルを独自に開発し、顧客会社らに提供する考えだ。
その最初の分野として両社が注目しているのがIT関連の業務だ。エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、「あらゆる業界のあらゆる会社にとって、ITは神経系のような存在になっている。この提携では、極度に専門化した生成人工知能を構築し、サービスナウのプラットフォームを使う会社とIT専門職たちの能力および生産性を大きく向上させる」と話した。
人気を博しているGPT(Generative Pre-trained Transformer)シリーズのような生成人工知能は高い能力を持つが、公的に入手できるデータで学習させているため、特定の業務用途では十分に効果がない可能性がある。業務での活用に際しては、たとえば、社外秘の専有データで学習させたモデルが必要になる。
サービスナウは、エヌビディアと提携することで、その課題に対応する。サービスナウは、エヌビディアの基盤モデル「ニーモ(NeMo)」とエヌビディアのGPU(graphicsprocessing unit)を使って独自の生成人工知能モデルを構築する。顧客への提供に際しては、自社のサース(SaaS=software-as-a-service)プラットフォーム「ナウ(Now)」を使う。
当面の焦点となるIT関連の業務では、サポート・チケット(技術支援要請)の内容要約および解決や出来事の深刻度予想、IT管理方針の文脈上の意味(semantic)検索を実現させる予定だ。それらの機能をすべて、統一的なチャットボット・インターフェイスを介して使えるようにすることがサービスナウのねらいだ。
サービスナウの顧客でもあるエヌビディアは、それらの開発に際して独自のデータも提供する計画だ。まずはサポート・チケットの要約から着手する、と両社は説明している。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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