小売現場の労働安全性が重要な課題に ~ 緊急事態の対応手段は依然として原始的

小売店が万引きや窃盗によって巨額の損失を出すなか、損失もさることながら現場従業員らの安全確保が問われるようになっている。

ザ・ストリート誌によると、小売店のキャシュ・レジスターや出入り口付近で来店客らと接する店員たちは、犯罪に直接遭遇する可能性が高い。小売店職務のなかでもそういった仕事はいまや危険な職種になっており、店舗従業員らが不安を感じている、とモトローラ・ソリューションズ(Motorola Solutions)は最新の調査報告書「小売労働者安全性報告書(Retail Worker Safety Report)」のなかで指摘した。

同調査では、軽微な窃盗が増えていると回答した人の割り合いは54%、商品をつかんで走り去る窃盗が増えていると回答した割り合いは35%、顧客と敵対的に接する状況が増えていると回答した割り合いは31%に上った。自身の安全を少なくともある程度案じていると回答した人の割り合いは3分の2近くに上った。

万引きや不審行動に遭遇した場合にとるべき店員の行動に関する規則は、会社によって異なる。たとえば、ウォルマートでは、セルフ会計の監督担当店員が万引きの疑いを抱いた場合、レジスターの機械を停止することができる。

多くの小売店が窃盗防止のための技術に多大の投資を行っているが、それらの技術は現場従業員の安全確保を主目的としたものではかならずしもない。今回の報告書では、緊急事態に臨んでなおも原始的技術の方法が使われている現状が明らかになった。

安全性の懸念を報告する手段として固定回線電話を使うと回答した人の割り合いは58%、店内の放送システムを使うと回答した割り合いは45%、また、28%が大声を出して同僚に知らせると答えた。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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