電動の自動運転シャトル(小型バス)開発のメイ・モビリティー(MayMobility、ミシガン州)は、主要拠点の一つであるアリゾナ州でドライバーなしのサービスを開始する。
オートモーティブ・ニュースによると、トヨタのミニバン「シエナ」を自律走行型に改造したメイの車両を使い、アリゾナ州サンシティーの引退者コミュニティーの公道で送迎サービスを提供する。コミュニティー居住者は、サービスを利用する前に同社の「アーリー・ライダー」プログラムに加入する必要がある。
2017年設立のメイにとって、人間のドライバーの排除は大きな節目になる。同社は過去6年間、世界中で数多くのパイロットプロジェクトを実施しており、自動運転システムの性能はこの12カ月で大幅に改善したという。
エド・オルソンCEOによると、車の性能向上は知覚能力の段階的な進歩、より成熟した進路計画、より優れた制御から来ており「これらすべてが合わさると何倍にもなり、相乗効果が生まれる」という。
2023年10月にGM傘下クルーズのロボタクシー(自動運転タクシー)がサンフランシスコで人身事故を起こすなど、最近は自動運転技術に対する懐疑的な見方や監視の目が強まっているが、メイは二つの点で他社との違いを出そうとしている。
第一に、同社が「マルチポリシー・ディシジョンメイキング」と呼ぶ技術は業界内でも独特で、考えられる交通状況を毎秒何千件にわたってリアルタイムで分析するオンボード・シミュレーションを実行し、最も安全なものを選択する。
第二に、同社は地元自治体や市の交通機関と直接契約してサービスを提供する方式を構築している。フェニックス北西部に位置するサンシティーの場合、サービス開始当初は18の出発地点と停留所から走行区間を選ぶようにする。車の移動経路は固定せず、利用者はメイの携帯電話アプリケーションを使って車を手配できる。
自動運転車(AV)業界に逆風が吹く中、メイは11月にトヨタ・ベンチャーズ、トヨタ自動車、BMW iベンチャーズ、トラックス・ベンチャー・キャピタルが参加した1億500万ドルのシリーズD資金調達を完了しており、この資金は今後1年間で商用ドライバーレスサービスを拡大するのに役立つ見込み。クランチベースの記録によると、メイ・モビリティはこれまでに3億260万ドルを調達している。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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