ウェブMD、医療データをモバイル・クラウドで

 一般消費者向けに健康や医療情報を提供するウェブサイト運営大手のウェブMD(WebMD)と無線通信技術大手クアルコム(Qualcomm)は、消費者が自分の健康に関するデータを保存できるモバイル・クラウド・サービス「ヘルス・クラウド(Health Cloud)プラットフォーム」の提供で提携した。

 利用者はヘルス・クラウドを使うことで、家庭用無線医療端末を自宅で使って調べた測定結果を同プラットフォームにアップロードし、医療関係者と共有できるようになる。

 同サービスは、2013年秋に提供開始される予定。

 コンピュータワールドによると、ヘルス・クラウドはクアルコムの「2ネット・プラットフォーム(2net Platform)」というクラウド・プラットフォームを土台にして開発されている。

 同プラットフォームは、複数の無線医療端末およびアプリケーションと互換性があり、端末使用者と医療提供者が、生体測定データにオンラインでアクセスできるようにしたもの。

 ウェブMDによると、同社ウェブサイトにログオンする個々の利用者数は毎月1億1700万人に達し、モバイル・ヘルス・ウェブサイトだけで閲覧件数が毎月2200万に上る。

 ウェブMDは、消費者向け健康関連アプリケーション事業にも力を入れており、その種のモバイル・アプリケーションのダウンロード数はすでに1700万件を超えている。

 ヘルス・クラウドでは、消費者がモバイル・アプリケーション経由でヘルス・モニタリング端末を購入することもできる。

 クアルコムの2ネット・プラットフォームは、データのコンテント・アグリゲーション・サイトとして機能するため、ウェブMDは消費者が利用する端末の種類ごとにデータ抽出プロトコールを構築する必要がない。

 ウェブMDでは、モバイル・アプリケーション経由で消費者が入力するデータを医療従事者の電子カルテ(HER=electronic health record)と連動させ、データの変化に応じて警告を自動発信するシステムの構築も視野に入れている。

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