プラグインハイブリッド車(PHV)は、化石燃料車よりは少ないものの実社会で従来の推定よりはるかに多くの排ガスを出していることが幾つかの研究で示されており、欧州委員会(EC)による最新の調査では、実験で得られた数字より平均3.5倍も多かった。
エレクトライブによると、理由は電動モード時の機能が過大に表示されていることと、人々があまり電動モードで走行していないことによる。後者は「ユーティリティー・ファクター」と呼ばれる要因で、PHVがガソリンエンジンではなく電動モーターで走る時間の割合を指す。
PHVの実際のユーティリティー・ファクターは、欧州燃費基準WLTPによる評価よりもはるかに低く、内燃エンジンが予想以上に頻繁に使われているため排ガスはかなりの量に上る。欧州連合(EU)欧州委員会の最新報告では、PHVの予想排ガス量に対する実際の排ガス量の比率を示す「エミッション・ギャップ」は全ての調査対象国で非常に大きく、176%(フィンランド)から最大287%(ポーランド)に達した。
この比率は国によって車の使用パターンが違うため差がある。ドイツの場合、企業に大きな利益をもたらすことからPHVが社用車としてリースされることが多く、ガソリン車のように使われてあまり充電されないためユーティリティ・ファクターが低く、ギャップは284%と高い。ただし、PHVのエミッション・ギャップはどの国も高く、平均で200%を超えている。ガソリン車とディーゼル車のエミッション・ギャップは約20%にとどまる。
最近、各地域の規制当局はいくつかの環境目標を緩和しており、PHVに排ガス削減に向けた追加クレジットを与えている例が多いが、最新の実社会データを反映させて規制の調整が必要になる可能性もある。
EUでは、公式な審査手順でユーティリティ・ファクターを知らせるという将来の規制に今回のデータを活用する予定で、すでに25年の規則改正が計画されているが、欧州委員会の報告書は「実社会データを踏まえて、その規則をさらに調整する必要があるかもしれない」と指摘している。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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