新車を購入するため車を下取りに出した米消費者のうち、車の評価額がローン残高を下回る人の割合が4分の1近くに上ることが、エドマンズの最新調査で分かった。特にEVオーナーは含み損(negative equity)の額が大きい。
インサイドEVsによると、24年4-6月期に下取りに出されたEVの平均含み損は、22年同期(5469ドル)から倍増の1万326ドルだった。24年同期にローンで新車を購入した消費者のほぼ4人に1人(23.9%)は、下取り車のローン残高が車体価格を上回っていた。下取り車の含み損率が31.9%だった21年1-3月期以来の高水準となる。
含み損率の上昇には、EVオーナーが比較的早く車を下取りに出していることが関係している。4-6月期は、手持ちのEVを購入してから下取りに出して新車に買い換えるまでの平均期間は2.1年で、ガソリン車の場合は平均3.7年だった。
自動車は所有してから1年で最も価値が下がる。保険大手プログレッシブによると、この期間に車は価値の約20%を失い、その後4年目までに15%を失い、それ以降は徐々に価値が下がっていく。含み損を抱えた下取り車の平均所有年数は3.7年で、23年4-6月期は3.4年、22年同期は3.2年だった。
高級車は普通の車よりも短期間で価値が下がることで知られ、iSeeCarsの調査では、高級EVのメルセデス「EQS」は所有1年目で価値の47%を失う。
エドマンズによると、調査結果は、価格がピークに達したパンデミック時に車を購入した人が長期にわたって自動車ローンで含み損を抱え、高級車や新技術を搭載した車は従来のガソリン車よりも減価償却率が高くなることも示している。価値の下落で影響を受けているのは企業も同様で、レンタカー大手ハーツは、保有するテスラ「モデル3」に対して約1億9500万ドルの減価償却費を計上している。これは1台当たり月約592ドルという計算になり、同社は現在、損失を最小限に抑えるためEVを投げ売りしている。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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