中西部でエネルギー雇用急増〜大平原に人影戻る
- 2013年3月26日
- 米国ビジネス
エネルギー・ブームを受けて、人口流出が続いた大平原地帯(Great Plains)に人が戻っている。
クリスチャン・サイエンス・モニターによると、北はカナダ国境から南はテキサス州西部まで、東はロッキー山脈の麓まで広がる大平原地帯では、10年前まで人口の減少が激しく、郡単位では人口密度が「フロンティア状態」まで落ち込む所も多かった。
この状況を大きく変えたのが昨今のエネルギー・ブームで、国勢調査局のトーマス・メセンバーグ氏は「大平原の一部は、長年にわたる人口流出から急速な人口増加に転じている。伸びの背景にはたくさんの要因があるだろうが、エネルギー・ブームが一因であることは間違いない」と話す。
最新の統計によると、現在国内の大都市圏で最も急成長しているのは油田のあるテキサス州ミッドランドで、2011年7月1日からの1年で人口は4.6%増加した。また石油と関係が深い同州オデッサも5位に入っている。
エネルギー・ブームの影響は人口5万人未満の小さな町の方が大きく、エネルギー・ブームの中心地であるノースダコタ州ウィリストンは、9.6%増と小都市圏の中では最も急成長している。その130マイル南の同州ディッキンソンも6.5%増で3位に入った。小都市圏の4位はミッドランドやオデッサに近いテキサス州アンドリュース、5位はユタのガス生産中心地バーナル、6位はアナダルコ盆地の石油やガス掘削で恩恵を受けているオクラホマ州エルクシティとなっている。
ただし、大平原にはかつてほかの産業ブームで栄え、産業の衰退とともにさびれた町が多く、石油・ガス掘削の最新技術フラッキング(水圧破砕法)による環境への長期的な影響を懸念する声もある。
市場調査HISグローバル・インサイトによると、「フラッキング革命」は急速に拡大しつつあるが、大平原の雇用は20年まで堅調に伸び、その後の10年も業界は拡大が続くと見込まれる。
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