米国のドライバーは、依然として大多数が自動運転技術に不信感を抱いているものの、少しずつ理解を示し始めていることが、米国自動車協会(AAA)の最新調査で分かった。
オートモーティブ・ニュースによると、調査は1月、国内の18歳以上の成人1095人を対象に実施され、自動運転車(AV)に乗るのが怖いという人の割合は61%と、前年の66%から低下した。一方、自動運転技術を信頼していると答えた人は13%で、前年の9%から上昇した。
一般向けにAVを販売しているメーカーは今はないが、現在個人が所有する車に備わっているいくつかの基本機能は将来備わる予定のより高度なシステムへの信頼を高める可能性がある。AAA調査では、64%が自動緊急ブレーキシステム(AEB)を支持し、59%が車線維持支援機能を支持すると答えた。
ただし、自動運転技術を優先事項と考えているのはわずか13%で、78%は「運転中の安全性を高める技術を優先する」と答えた。
AAAの自動車工学責任者グレグ・ブラノン氏は「人々は自分を助けてくれる技術を欲しがるが、運転という作業をシステムに委ねることには懐疑的だ。もし私がメーカーの意思決定者なら、車が運転の責任を引き受けられるようになるまでは物事を簡単にすることに集中するだろう」と述べた。
自動車メーカーはその境界を越えようとする動きを強めており、直近ではステランティスが2月中旬、人間と機械の運転責任を融合させる自動運転システム「STLA AutoDrive」を発表した。こうしたシステムは、SAEインターナショナルではレベル3の自動運転に区分され、作動中は車両が運転責任を受け持つが、緊急の場合は人の補助を必要とする。学者や研究者たちは、人間と機械の責任を混在させることは中途半端で、人間の独善的行動や法的な複雑さを招きかねないと警告している。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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