中国ロボタクシー企業、相次ぎ中東進出~参入障壁の低さが魅力

中国の自動運転タクシー(ロボタクシー)企業は、ペルシャ湾岸の中東諸国に熱い視線を送っている。規制面のビジネス受け入れ体制が整い、配車サービスの需要が高まっているためだ。

◇大手3社が事業拡大

ロイターによると、自動運転技術開発のポニーAI(小馬智行)は5月下旬、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイの道路交通局との提携を発表した。年内にロボタクシーの試験運行を開始し、2026年に完全自動運転の商業サービスを開始するという。

ウィーライド(文遠知行)も最近、サウジアラビアへの事業拡大を発表。リヤドなどでのテストを経て、25年末までにに商業サービスを開始する見込みだ。5月にはUAEのアブダビで完全自動運転ロボタクシーの試験運用を開始しており、6月末から商用運行を開始する予定で、近くドバイでも展開を計画している。

一方、バイドゥ(百度)は3月、UAE拠点のオートゴー(Autogo)と提携し、アブダビにロボタクシー「数十台」を導入する計画を発表。26年の商用運行開始を目指し、年内にドバイでも試験運用を開始する予定だ。

◇将来は米中の戦場にも

ドバイでは、交通渋滞の悪化と、主に外国からの出稼ぎ労働者に依存しているタクシーや配車サービスの不足が懸念されており、首長国政府は30年までに日常交通の25%を無人のスマート運転にするという目標を掲げている。アブダビも40年までに移動全体の25%、サウジアラビアは30年までに15%を自動運転にすることを目指している。

インフラ、資本、野心がそろった市場は業界にとって魅力的で、湾岸地域は米中のロボタクシーが初めて本格的に直接対決する市場になる可能性がある。

テスラは5月、サウジアラビアにロボタクシーを導入する意向を表明したが、今のところ米企業で無人のロボタクシーを有料運行しているのはアルファベット傘下のウェイモだけ。テスラは6月末までにテキサス州オースティンで試験運用を開始し、数カ月以内に約1000台の展開を目指している。

これに対し、中国勢にはより豊富な経験がある。バイドゥによると、同社は3月現在、中国国内で1000万回以上の運行実績があり、重大な事故は発生していない。バイドゥは22年から中国の複数の都市でロボタクシーサービス「ApolloGo」を商用運行しており、現在はレベル4の自動運転機能を備え、特定区域内での無人運行が可能だ。特定区域といってもその面積は広く、例えば武漢市では総延長3000キロ超の公道を走行できる。

一方、ポニーAIは中国国内で300台のロボタクシーを保有し、長期的にはドバイの地下鉄やトラムと連携した運行を計画している。トヨタが出資するポニーAIは、25年を大規模な商業展開の元年と位置づけており、今後2年間に世界全体で数千台の車両展開を目指す。すでに米国、韓国、ルクセンブルクで試験許可を取得している。

ウィーライドは、中国国内の複数都市やスイスのチューリヒとアブダビでミニバン「GXR」を使ったロボタクシーの「公的運行」を開始。5月にはウーバーと提携し、今後5年間で15都市への拡大を計画している。

(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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