米国のイーコマース会社らは、人工知能を活用したオンライン買い物体験向上ツールの開発や導入に過去1年間で平均40万3000ドルを費やした、とストーリーブロック(Storyblok)による最新の調査結果で明らかになった。
リテイル・ダイヴ誌によると、コンテント管理システムを提供するストーリーブロックは、欧米の大手および中堅のイーコマース会社300社の幹部らを対象に調査を実施し、その結果を4月29日までに報告した。
それによると、人工知能の活用によって消費者のオンライン購入体験が「少し改善された」と答えた割り合いは30%だった。また、97%は、人工知能技術が投資対効果をあげていると回答した。
米国のイーコマース会社らが人工知能を採用したおもな理由は、顧客サービスの向上(61%)、販促のための分析(60%)、管理業務の自動化(42%)、翻訳サービス(41%)、コンテント作成(40%)だった。
欧州のイーコマース会社らをあわせた全体では、人工知能に50万ドル以上を投資した割り合いは30%だった。その一方で、数十万ドルを費やしたにもかかわらず、当初の期待ほどの成果がないという回答もある。
ストーリーブロックの共同設立者兼CEOであるドミニク・アンゲラー氏は、「デジタル体験の向上に人工知能がもたらす変革の可能性は非常に大きいが、今回の調査では、期待と現実のあいだに明確な溝があることが浮き彫りになった」と話した。
それでも、大手のブランドや小売会社らは、コンテントの作成や管理業務の合理化のために生成人工知能の活用を積極化させていることに変わりはない、と同氏は指摘する。
ウォルマートは3月に、オンライン小売プラットフォーム加盟店らがデータの入力および分析や商品説明、問題点の特定、業務上の質問に回答することを支援する生成人工知能ツール「ウォーリー(Wally)」を発表した。
4月初めにはロレアル(L’Oréal)がグーグル(Google)と提携した。ロレアルの販促担当者らはそれによって、グーグルの生成人工知能モデル群を使って、新たな販促方法や概念を考え出して画像として視覚化し、商品包装を刷新する計画を打ち出した。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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