販促技術の使い方に関する4つの過ち 〜 業界専門家、会社らがもっとも犯しやすい間違いを列挙

販促(マーケティング)活動でその対象と効果的につながるための技術が多用されるようになっているが、会社らが犯しがちの過ちも浮上している。

技術の未来を専門とする著者のバーナード・マー氏はこのほど、最近よく見かける販促技術の誤った使い方をまとめ、フォーブス誌に寄稿した。同氏はおもに下記4つの間違いがあると指摘している。

1.技術先行で戦略先行ではない

販促は、単に新しい技術やサービスに飛びつくだけでは成功を望めない。会社のブランドや特定の商品の販促戦略を先に考えなければ、分散した販促業務過程や縦割りに管理されるデータといった弊害を生み、安くもないコストだけがかかり続ける販促技術およびサービスが放置される、とマー氏は指摘する。

2.有機的な浸透力の活用法を誤る

ソーシャル・メディアで交通量(トラフィック)を稼げば販促対象がつくられると期待できる時代は終わった。マエストラ(Maestra)の統計によると、インスタグラムの投稿は平均してフォロワーの9.4%にしか閲覧されておらず、2021年の22%から低下している。

その変化に対応するには、有機的な戦略と有料キャンペーンを慎重に組み合わせる必要がある。前者を信頼感や絆を強化するために使い、後者を転換(コンヴァージョン)率のもっとも高いコンテントの交通量を増やすために使う必要がある。

3.検索エンジンの変化に対応しない

検索エンジンが生成人工知能による要約結果を表示するようになったのを受けて、検索結果のページでクリックが以前ほど生じなくなっている。スパークトロ(SparkToro)の分析によると、クリックが生じない「ゼロ・クリック検索」は2024に約58%だった。

これまでのSEO(search engine optimization)手法はそういった変化によって有効性が下がり続けている。今後は人工知能が情報を見つけやすいようにコンテントを構成し、要約結果にうまく収まるようなかたちで提供していく必要がある。

4.ブランドの「らしさ」が人工知能で希釈される

生成人工知能はコンテント作成の過程を簡便化するが、あまり考えずに人工知能にコンテントをつくらせると、最終的には機械的で人間味のないコンテントが増え、ブランド特有の「らしさ」が感じられなくなる。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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