アトランタでロボタクシーの競合激化~メイも市場参入

ジョージア州アトランタで、ロボタクシー(自動運転タクシー)の競合が激化している。

ウォールストリート・ジャーナルによると、同市では6月、アルファベット傘下ウェイモが配車アプリ最大手ウーバーと提携して無人配車サービスを開始したが、9月からはメイ・モビリティーがリフトと提携して運転手付きの配車サービスを開始した。

メイのサービスは、改造したトヨタ「シエナ」ミニバンを使い、当面は市内の限定区域のみで提供され、問題発生時に運転を引き継ぐドライバーが同乗する。

リフトは今回、初めて自動運転車(AV)による配車サービスを提供する。同業のウーバーはすでに2023年からアリゾナ州フェニックスで、25年3月からはテキサス州オースティンでウェイモのAVを使って営業しており、6月にはアトランタでも無人配車サービスを開始した。

配車サービス企業にとってAVは、最大の課題の一つであるドライバーの人件費と人手不足の解決法になり得る。リフトのジェレミー・バード副社長によると、アトランタは顧客密度が高く、ジョージア州はAVに友好的な規制を導入しているため、自動運転サービスの競争が生まれやすいという。

メイは、まず市内ミッドタウンの約7平方マイル区域で少数のバンを使ったサービスを開始し、数十台、数百台規模へと拡大する計画。一方、ウェイモの運行区域は約65平方マイルに及ぶ。

トヨタも出資するメイは、8年間で約3億ドルの資金を調達しているが、これまでは狭い地域で小規模展開するあまり目立たないAV企業だった。当初は地域の交通機関との提携に重点を置き、決まったルートと停留所を使ったサービスを提供していた。

メイの改造ミニバンは、カメラ、ライダー(光検知・測距装置)、レーダーを追加搭載し、収集データは前席に組み込まれたコンピューターに送られる。

リフトとメイは他都市への拡大も目指しているが、排他的な提携ではない。メイはウーバーと共同で、年内にテキサス州アーリントンでロボタクシーを運行する計画を進めている。

(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
STS Career

注目の記事

  1. 2025年10月8日

    美しく生きる
    菊の花 ノートルダム清心学園元理事長である渡辺和子さんの言葉に、「どんな場所でも、美しく生...
  2. 2025年10月6日

    Japanese Sake
    日本の「伝統的酒造り」とは 2024年12月、ユネスコ政府間委員会第19回会合で、日...
  3. アメリカの医療・保険制度 アメリカの医療・保険制度は日本と大きく異なり、制度...
  4. 2025年6月4日

    ユーチューバー
    飛行機から見下ろしたテムズ川 誰でもギルティプレジャーがあるだろう。何か難しいこと、面倒なこ...
  5.        ジャズとグルメの町 ニューオーリンズ ルイジアナ州 ...
  6. 環境編 子どもが生きいきと暮らす海外生活のために 両親の海外駐在に伴って日本...
  7. 2025年2月8日

    旅先の美術館
    Norton Museum of Art / West Palm Beach フロリダはウエ...
  8. 約6億年も昔の生物たちの姿が鮮明に残るミステイクン・ポイントは、世界中の研究者から注目を集めている...
ページ上部へ戻る