加州港湾、トランプ関税による輸入急増が終息

米国最大の複合港湾施設ロサンゼルス・ロングビーチ港で、トランプ政権が発動した関税の影響で急増した貨物輸入量が減少に向かい始めた。

ウォールストリート・ジャーナルによると、両港が8月に取り扱った輸入コンテナ量は20フィート標準コンテナ換算(TEU)で94万4832個だった。平年の水準は大きく上回るものの、100万個を超えた7月からは6.6%減少した。

小売り業者は年末商戦向けの商品を関税が発動される前に前倒しで輸入したため、9月と10月はさらに貨物量が減少する見込みで、ロサンゼルス港の幹部ジーン・セロカ氏は「取扱量のピークは6月下旬から7月、8月だったようだ」と述べた。

2025年は、関税の導入や撤回に対応して小売り業者や製造業者が商品を急いで輸入する、注文を一時差し止める、取り消すなど目まぐるしく判断を切り替えたため、国内の港湾は激しく変動する貨物量への対応に追われた。

LA/LB港でも、年初は小売り業者が関税導入を見越して商品の輸送を急いだため輸入量が急増したが、米国が対中関税を145%に引き上げた後の5月には急減。夏に入ると、米中協議の結果トランプ政権が対中関税率を引き下げたことや、小売り業者や製造業者が8月初めに発効した多数の国と地域に対する相互関税に備えたことを受けてコンテナ量は再び急増した。

現在は、関税の不確実性、変動する通商政策、消費支出への懸念などから輸入が手控えられている。全米小売業協会(NRF)の「グローバル・ポート・トラッカー」によると、全米の港では7月と8月、それぞれ236万個と228万個のコンテナが運び込まれて最高水準に近づいたが、12月は3年ぶりの低水準になると推定されている。

(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
STS Career

注目の記事

  1. 2025年10月8日

    美しく生きる
    菊の花 ノートルダム清心学園元理事長である渡辺和子さんの言葉に、「どんな場所でも、美しく生...
  2. 2025年10月6日

    Japanese Sake
    日本の「伝統的酒造り」とは 2024年12月、ユネスコ政府間委員会第19回会合で、日...
  3. アメリカの医療・保険制度 アメリカの医療・保険制度は日本と大きく異なり、制度...
  4. 2025年6月4日

    ユーチューバー
    飛行機から見下ろしたテムズ川 誰でもギルティプレジャーがあるだろう。何か難しいこと、面倒なこ...
  5.        ジャズとグルメの町 ニューオーリンズ ルイジアナ州 ...
  6. 環境編 子どもが生きいきと暮らす海外生活のために 両親の海外駐在に伴って日本...
  7. 2025年2月8日

    旅先の美術館
    Norton Museum of Art / West Palm Beach フロリダはウエ...
  8. 約6億年も昔の生物たちの姿が鮮明に残るミステイクン・ポイントは、世界中の研究者から注目を集めている...
ページ上部へ戻る