FDA諮問委、アバンディアの使用制限緩和を勧告
- 2013年6月10日
- 米国ビジネス
食品医薬品局(FDA)の諮問委員会はこのほど、心臓発作の発生リスクが高まるとして使用対象が制限されている英グラクソスミスクライン(GSK)の糖尿病治療薬「アバンディア」について、規制緩和を勧告することを賛成多数で決定した。
CNNによると、26人の委員のうち13人が現行規制の調整、7人が規制の全面解除を主張した一方、5人は規制の継続、1人は商品回収を主張した。勧告に従って規制を緩和するかどうかは、FDAのマーガレット・ハンブルグ長官が判断する。
アバンディアは人気の高い2型糖尿病治療薬だったが、FDAは2010年、深刻な心臓病の発生リスクが高まるという複数の調査結果を受け、使用対象をほかの薬では効果が得られない患者に限定した。規制のきっかけとなった調査のうち、最も注目されたのは07年に発表されたクリーブランド病院の調査で、心臓発作の発生リスクが43%も高まると報告された。
FDAは、使用制限と同時にGSKに安全調査の実施を命じ、その結果は09年に公表されたが、これを審査したFDAのトーマス・マルシニアック氏は「GSKは深刻な副作用に苦しむ数人の患者を無視した」と批判した。このほか、アバンディアには心臓リスクに関するいくつかの矛盾した兆候が見られたことから、FDA医薬品評価センター(CDER)のジャネット・ウッドコック所長はGSKに対し、外部の独立機関に調査結果の再解析を依頼するよう勧告した。
これを受けGSKは、デューク臨床試験研究所(DCRI)に再解析を依頼し、DCRIは「再解析の結果、GSKの安全調査結果と同じ結論に達した」と報告した。今回の2日間にわたる諮問委の審議はこのDCRI報告を基に行われた。
10年に使用が制限されるまで、米国では12万人がアバンディアを服用していたが、現在登録されている使用者は3000人にとどまっている。
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