情報家電のネストを買収へ〜グーグル、32億ドルで

 インターネット検索大手グーグルは13日、家庭用のスマート・サーモスタットや煙探知機を製造販売するネスト・ラブズ(Nest Labs、カリフォルニア州)を32億ドルで買収する計画を発表した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、グーグルにとっては2012年の携帯電話大手モトローラ・モビリティに次ぐ巨額買収となる。ネストは、センサー、コンピュータ、通信機能などを加えることで日常的な機器をより有益にしようという概念「モノのインターネット」を象徴する企業で、この流れは先週ラスベガスで開かれた家電見本市「インターナショナルCES」でも目立った。

 最近はゼネラル・エレクトリック(GE)、シスコ・システムズ、インテルなどの大手企業もこの分野に投資しており、グーグルはこれまでベンチャー投資部門を通してネストに投資してきた。

 リサーチ会社フォレスター・リサーチのアナリストは、家電や施錠装置などを含む次世代スマート機器分野をいち早く支配するためにグーグルは今回の買収に高額を払ったとみており「グーグル、アマゾン、アップル、マイクロソフトなどのうち、どこのサービスが消費者のスマートホームを管理するようになるかが見どころ」と指摘する。

 グーグルは今回、アップルの元幹部で高い技術力を持つネストの創業者トニー・ファデル最高経営責任者(CEO)も傘下に引き入れた。ファデル氏はアップルでは故スティーブ・ジョブズ前CEOの直属で「iPod(アイポッド)」の開発に携わった。今後はグーグルのラリー・ペイジCEO直属でネストの経営を続ける。

 ファデル氏はアップルの元同僚と2010年にネストを起業し、11年には商品第1号として、スマートフォンなどを通じて外部から操作できるサーモスタットを発売した。13年には、煙や一酸化炭素の探知機「ネスト・プロテクト」を発売し、アップルストアなどでも販売されている。

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