電池とカミソリ事業を分割へ〜エナジャイザー、売却念頭か

 エナジャイザー・ホールディングスはこのほど、不振の電池事業とかみそり「シック」などを含む比較的好調なパーソナルケア事業を分割する計画を発表した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、使い捨て乾電池は消費者用品や玩具など長年さまざまな製品に使われてきたが、近年は充電可能な電池が内臓されたスマートフォンやタブレット型端末などの普及で需要が下がり続けている。

 エナジャイザーの分割は1年以上かかる見通しで、1980年代に「ピンクのウサギ」をマスコットに使ったCMでエナジャイザー電池を一躍有名にしたウォード・クライン最高経営責任者(CEO)は、パーソナルケア事業会社の会長となる。

 エナジャイザーの家庭用品事業には、エナジャイザーや「エバレディ」などの電池、懐中電灯や充電器などが含まれ、14年3月期の売上高は19億ドル。一方、パーソナルケア事業にはシックのほか、生理用品の「ステイフリー」や「プレイテックス」、日焼け止め「バナナボート」や「ハワイアン・トロピック」などのブランドがあり、売上高は26億ドル。

 クラインCEOは「分割によって各事業が業務に専念でき、資源の配分も改善され、必要な判断を下せるようになるため、独自の投資家を引きつけられる」と話し、アナリストの間では「どちらかの事業または両方が買収されて株価が上がる機会が増える」との見方も出ている。

 エナジャイザーの1〜3月期売上高は前年比3%減の10億6000万ドル、利益は経費削減やパーソナルケア部門の好調で16%増の9850万ドルだった。

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