若い馬と偽って老馬を酷使?〜NY市の御者に虐待の疑い

 動物虐待を理由に市長や動物愛護団体が名物の馬車を廃止しようとしているニューヨークで、御者が馬の鑑札を偽り、年老いた馬を若い馬として使っていた疑いが浮上した。

 AP通信が情報公開法に基づいて入手した公文書によると、御者のフランク・ルオ氏が使っていた馬は12歳の「カーセン(Carsen)」として登録されていたが、今年1月に市保健局の獣医師が体調を調べたところ、ぜんそくのような肺気腫の症状が見られるなど身体的特徴や健康状態がペンシルベニアの農場で余生を送っているはずの「シーザー(Ceasar)」(22歳)と酷似していた。

 ルオ氏はAPに対し、「馬は取り替えていない。2頭がよく似ているから獣医が混乱しただけ」と説明した。

 同氏は当初、「シーザーは何カ月も前からうちにいる」というペンシルベニアの農場主の手書きメモなどを市に提出して、ニューヨークの馬がカーセンであることを証明しようとした。ところが市が医師の鑑定などほかの証拠も提出するよう求めたところ、5日後に弁護士を通じて「余分の馬を飼う余裕がないため、カーセンは売却してペンシルベニアに送った」と返答した。

 ルオ氏は別の馬で馬車業を続ける予定で、馬の健康状況を記録する保健局は調べを打ち切ったが、御者を管理する消費者関連事務局(DCA)はまだ調査を続けている。

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