環境技術に関する5つの需要傾向 〜 地球温暖化対応で期待される商機分野

 環境対応技術業界に新たな傾向が見え始めている。地球温暖化の影響に応える技術の開発が中心となっている。

 ギガOM誌によると、環境技術業界は、過去数年間に第一波と言えるブーム期を終えたという見方もあり、主にシリコン・バレーのベンチャー・キャピタル(VC)から資金調達してソーラー・パネルや蓄電池分野の事業を手がけようとする事業モデルが主流を占めたが、必ずしもすべてが成功したわけではない。

 次世代の環境技術開発は、シリコン・バレー以外からの資金調達を目指すようになっており、また、演算技術や通信技術を大規模に活用する種類の事業を追求している。

 そうした状況を背景に、次の5つの業界動向が今後数年間にわたって米国で注目される可能性が高いとみられる。

1)環境データの活用が急増

 地球温暖化を正確に理解するために、研究者や研究組織は、ハリケーンの接近から土壌の状況まで、さまざまの環境データを集める必要がある。企業や一般の人々も、この種のデータを必要とするようになるだろう。たとえば、干ばつに苦しむ米国南西部の農家は、すでにこの種のデータを渇望している。

 環境データをどのように収集、分析、保存、提示するかをめぐって、今後さらなる技術革新が起きる可能性は高い。モンサントがクライメート・コープを巨額で買収したことも、その傾向を顕著に示す動きだ。

2)水道関連の技術革新

 カリフォルニア州の干ばつは、将来訪れ得る地球規模の水不足について考えさせる機会をもたらした。廃水を浄化して再利用できるようにするための浸透膜や、安価でエネルギー効率の高い淡水化技術が求められている。

3)農業の生産性向上

 農業は今後、地球温暖化で大きく影響を受ける。増え続ける世界人口に見合った食糧生産を続けるには、農業の生産性向上が急務だ。品種改良や新しい肥料などバイオ分野の技術革新が必要とされると同時に、データに基づく効率化も重要だ。

4)送電網の進化

 クリーン・エネルギーによる電力を送電網に統合する動きが活発化するにつれ、送電網は進化を迫られる。風力および太陽光発電は成熟期に達しつつあり、それを受けて安価な蓄電技術も必要とされるようになっている。アンブリ(Ambri)やアクイオン・エネルギー(Aquion Energy)といった企業では、送電網向けの蓄電施設の開発を進めている。

5)建物の効率化

 建設業界の生産性と効率を高める方法も研究されている。たとえば、新興企業のフラックス(Flux)は、データを活用して設計および建設の方法を変化させるという目標に取り組んでいる。世界各地の都市で人口増を受けてさらなる建物の建設が行われていることから、この分野の効率化は大きな影響力を持つだろう。

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