オートデスク、3D印刷用OSを提供 〜 オープン・ソース化で市場開拓を狙う

 3D設計ソフトウェア提供のオートデスク(Autodesk)は、3D印刷用のオープン・ソフトウェア・プラットフォーム「スパーク(Spark)」の提供を2014年末に開始する。

 グーグル(Google)が携帯端末向けOSのアンドロイド(Android)をメーカーに無償提供してスマートフォン開発に弾みをつけたように、オートデスクは3Dプリンターの開発を促し、高度設計ソフトウェアの需要開拓を狙う。

 ニューヨーク・タイムズによると、3Dプリンター・メーカーはスパークを使うことによって、プリンター向けOS関連費用を削減できる。

 オートデスクのカール・バス最高経営責任者(CEO)は、「プリンター用ソフトウェアは私が知るだけで40種類もあり、設計した物体を印刷するための妨げになっている」と述べた。

 オートデスクはスパークの機能を実演する目的で、同ソフトウェア搭載3Dプリンターを独自に発売する計画だ。

 同社が開発中のプリンターは、「中間市場向け業務用機械」(バスCEO)に似ている。バスCEOによると、同種のプリンターの価格は通常、約5000ドルだという。

 スパークの普及は3Dプリンターの値下げを促し、プリンターの需要増を期待できることから、オートデスクは自社の物体設計とモデリング用ソフトウェアの販売機会拡大を狙う。

 プリンター用オープン・ソース構想としては、レップラップ(RepRap)やタンティラス(Tantillus)がすでに進行している。

 オートデスクは、スパークを無料ライセンスし、3Dプリンター・メーカーによるスパーク・プラットフォーム統合を支援するほか、同社独自の3Dプリンターの設計も複製を許可する方針だ。

 オートデスクは3D印刷の普及に長年尽力しており、2年半前には基本的な3Dモデリング・ソフトウェアを無料提供した実績がある。

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