クリーンテック・オープン、6ヵ国に進出 〜 環境技術の起業家を後押し
- 2014年5月26日
- 環境ビジネス
環境対応技術分野の新興企業を支援するアクセラレイターのクリーンテック・オープン(Cleantech Open)は、アルメニアとインド、マレーシア、パキスタン、南アフリカ、そしてトルコの6ヵ国に拠点を開設する。
クリーンテクニカ誌によると、クリーンテック・オープンは6ヵ国の拠点において、エネルギー効率化や再生可能エネルギー、廃棄物の資源化、および水道効率の分野の技術革新をサポートしていく計画だ。グローバル・エンバイロメント・ファシリティ(GEF=Global Environment Facility)と国連工業開発機関(UNIDO)も支援を提供する。
シリコン・バレーとボストンの環境技術業界有力者たちによって2005年に非営利団体としてカリフォルニア州パロ・アルトに設立されたクリーンテック・オープンは、それらの分野のアクセラレイターとして世界最大。これまでに800社以上の新興企業の起業や育成を支援し、その過程で調達した資金総額は約9億ドルに上る。
クリーンテック・オープンは今後、6ヵ国で起業案コンテストを開催し、潜在性のある起業家を発掘する計画。各国で選抜された起業家は、2014年11月にシリコン・バレーを訪れ、潜在的な投資家と面会する。
「発電や配電、蓄電、大気汚染防止、水質汚染防止、廃棄物管理、新交通システム、持続可能建築技術といった分野で課題解消を目指す起業家が世界各地にたくさんいる」と、クリーンテック・オープンのレックス・ノーザン代表は説明している。
重要な技術革新を成し遂げるうえで資金力を誇る政府や大企業は大きな力になる可能性はあるが、一方で官僚主義的な動きの遅さがあることも否めない。ノース・カロライナ大学チャペル・ヒル校のキース・ソイヤー心理学者は、官僚主義が技術革新にとって真の障害だと論じている。
アクセラレイターは、社会的使命の意識に駆られた個人を奨励することから、社会革新の一種と考えることもできる。クリーンテック・オープンの共同設立者マーク・ゴットチョーク氏は、プロテラ(Proterra)の開発責任者兼法律顧問を務めており、またもう一人の共同設立者レベッカ・フアン氏は、ユーヌードル(YouNoodle.com)を立ち上げたほか、スタンフォード大学の相談役を務めている。
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