カルテル捜査、業界揺るがす〜自動車部品27社、34人が有罪に

 司法省による自動車部品の価格カルテル捜査が、過去最大規模に発展している。

 ワシントン・ポストによると、連邦捜査局(FBI)が4年前にデトロイト地域で強制捜査に踏み切って以来、価格操作をめぐって27社および幹部34人が有罪を認め、総額23億ドル以上の罰金を支払っている。

 それでも、同省反トラスト局のブレント・スナイダー副次官補は「業界談合の結果、消費者はそれ以上、時にははるかに多くのお金を払ったことは実に容易に想像できる」と強調した。実際、エリック・ホルダー司法長官が「ボンネットからタイヤまで」車両を隅々まで捜査すると表明した2013年9月以降、価格操作をめぐる新たな企業の立件が続いている。

 最近では、連邦大陪審が22日、部品の価格カルテルに関与した罪で東海理化(愛知県)の元常務取締役を起訴した。

 当局関係者によると、省が日系企業幹部から一連の有罪答弁を勝ち取ったのは、幹部の間に、日本で起訴されて海外渡航が禁じられるよりも米国で服役を済ませた方が職務上の打撃が少ないという判断があるためという。

 自動車情報カーズ・コムのジョー・ウィーゼンフェルダー編集長は、10年以上続いた例もある今回の不正について、「実に手際良くやったものだ」と話した。「欲張り過ぎて価格を上げ過ぎると必ずだれかが気づく。価格を談合で決めたり操作したりする場合、目立たず、無関係の部品業者を含めて市場全体に目を配りながら行わなければならない」。一方で同氏は、車の価格が操作されたわけではないため「消費者にとっては分かりにくいかもしれない」と指摘した。

 しかし、部品業界への影響となると話は別だ。今年に入って有罪を認めたブリヂストンは、従業員に法令順守を徹底し、関与した取締役陣から報酬の一部を没収する方針を表明している。

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