GE、燃料電池の新しい製造方法で社内起業 〜 触媒噴霧で製造コストを削減

 ゼネラル・エレクトリック(GE)は、燃料電池の新しい製造技術を軸に社内起業を進める計画だ。

 ギガOM誌によると、GEは現在、17人の研究者および技術者で構成される班によって燃料電池技術の開発に取り組んでおり、早ければ2017年に商用化する計画だ。

 GEは過去数十年にわたって燃料電池技術を手がけてきたが、同社の研究者が燃料電池の主要部分の新しい製造方法を発見したのは数年前のことだ。

 燃料電池は、触媒材料で塗装された金属板を積み重ねて作られている。GEでは触媒にセラミックの混合素材を用いており、通常、触媒は金属板上に焼結されるが、GEでは噴霧するという低コストの方法を考案した。

 噴霧技術は、GEがジェット・エンジンの塗装に使う予定の技術だった。金属板に3層を塗布する加工過程によって燃料電池の製造コストを大幅に削減できる、とGEは説明している。

 この燃料電池は、最終的には同社の「イエンバッハ(Jenbacher)」ガス・エンジンと組み合わせてハイブリッド燃料電池として使われる。それによって発電効率を65%高められると期待される。

 GEでは、同開発班を分離独立させる計画だ。社内起業はGEにとって新しい事業開発モデルだ。同開発班を独立企業とすることで、意思決定や行動が迅速化される、と燃料電池開発班を率いるジョハナ・ウェリントン氏は話す。

 設立資金はGEのベンチャー・キャピタル事業部門であるGEベンチャーズから拠出される。金額は明らかにされていない。新会社はニューヨーク市を拠点にし、最終的には30人前後に人員を拡大される計画だ。

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