ソレクセル、薄膜シリコン太陽電池を商用化へ 〜 3100万ドルのVCを調達

 薄膜シリコン太陽電池を開発するソレクセル(Solexel)は、3100万ドルのベンチャー・キャピタル(VC)投資を調達した。同社はその資金を投じて、製品商用化に向けた戦略を積極化する。

 同社の累積資金調達額はこれで2億ドル以上に達した。同社はまた、米エネルギー省および国立科学財団から1700万ドルの補助金も受けており、エネルギー省の「サンショット」プログラムにも参加している。

 同社は従業員55人の新興企業。国立再生可能エネルギー研究所の認証済み変換効率で2014年に21.2%を達成した。2015年中に変換効率20%台のモジュールを販売する計画だ。

 ソレクセルは現在、マレーシアで製造業務の提携を結ぼうとしている。

 グリーンテック・メディアによると、同社はカリフォルニア州に1メガワット規模の試験的工場を持っており、それを「そのままマレーシアに持っていく」と、同社の販促責任者兼最高財務責任者マーク・カーステンズ氏は説明している。

 同社が目指しているのは、35ミクロン厚の低コスト単結晶太陽電池だ。多孔質シリコン基板と再使用型テンプレートを用いたリフトオフ法を使用している。

 その加工過程によって処理加工中にシリコンがサポートされ、また背面接触のNタイプ電池によってアルミニウムを使えるようになるため、高価な銀を使う必要がなくなる、と同社は説明している。

 製造工程ではウェット・エッチングを用いず、トリクロロシランの気体を大気圧レベルで使用して、シリコンを毎分2.5ミクロンで乗せていく。その結果、1ワットあたりのシリコン使用量は約0.5グラムと、従来のシリコン太陽電池に比べて10分の1近い量に抑えられている。

 同社が製造しているのは156x156ミリの太陽電池で、背面接触型としては業界最大だ。このモジュールを製造委託して、フレームありおよびなしの両版で製造することを検討している。

 ソレクセルによると、同太陽電池はガラスの筐体を必要とせず、回路板の素材に似た樹脂および繊維の導体でサポートできる。

 薄膜太陽電池で業界を率いるファースト・ソーラーは、2017年までに製造コストを1ワットあたり40セントに低下させると発表したばかり。

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