ソレクセル、薄膜シリコン太陽電池を商用化へ 〜 3100万ドルのVCを調達
- 2014年7月27日
- 環境ビジネス
薄膜シリコン太陽電池を開発するソレクセル(Solexel)は、3100万ドルのベンチャー・キャピタル(VC)投資を調達した。同社はその資金を投じて、製品商用化に向けた戦略を積極化する。
同社の累積資金調達額はこれで2億ドル以上に達した。同社はまた、米エネルギー省および国立科学財団から1700万ドルの補助金も受けており、エネルギー省の「サンショット」プログラムにも参加している。
同社は従業員55人の新興企業。国立再生可能エネルギー研究所の認証済み変換効率で2014年に21.2%を達成した。2015年中に変換効率20%台のモジュールを販売する計画だ。
ソレクセルは現在、マレーシアで製造業務の提携を結ぼうとしている。
グリーンテック・メディアによると、同社はカリフォルニア州に1メガワット規模の試験的工場を持っており、それを「そのままマレーシアに持っていく」と、同社の販促責任者兼最高財務責任者マーク・カーステンズ氏は説明している。
同社が目指しているのは、35ミクロン厚の低コスト単結晶太陽電池だ。多孔質シリコン基板と再使用型テンプレートを用いたリフトオフ法を使用している。
その加工過程によって処理加工中にシリコンがサポートされ、また背面接触のNタイプ電池によってアルミニウムを使えるようになるため、高価な銀を使う必要がなくなる、と同社は説明している。
製造工程ではウェット・エッチングを用いず、トリクロロシランの気体を大気圧レベルで使用して、シリコンを毎分2.5ミクロンで乗せていく。その結果、1ワットあたりのシリコン使用量は約0.5グラムと、従来のシリコン太陽電池に比べて10分の1近い量に抑えられている。
同社が製造しているのは156x156ミリの太陽電池で、背面接触型としては業界最大だ。このモジュールを製造委託して、フレームありおよびなしの両版で製造することを検討している。
ソレクセルによると、同太陽電池はガラスの筐体を必要とせず、回路板の素材に似た樹脂および繊維の導体でサポートできる。
薄膜太陽電池で業界を率いるファースト・ソーラーは、2017年までに製造コストを1ワットあたり40セントに低下させると発表したばかり。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる
-
アマゾンや小売大手ら、頻発する返金詐欺で巨額の損害 〜 詐欺集団ら、ティックトックで協力購入者たちを募集
-
2024年4月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 自動車関連
中国の自動車メーカー、慣行覆しEV生産を迅速化
-
2024年3月28日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ウェイモ、テキサス州で社員向けロボタクシー運行
-
ハーバード大、急速充電が可能なリチウム金属電池を開発
-
2024年3月21日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
6割がブランドより接続性重視~EVドライバー調査、マッキンゼー
-
2024年3月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
少しの「つながる車」情報で信号機のタイミング調整