中国政府、国外部品企業に合弁設立要求〜拠点開設で現地サプライヤーと

 中国政府が海外のサプライヤーに対し、国内で業務を行うにあたり現地企業との合弁設立を求めていることが判明し、物議を醸している。

 オートモーティブ・ニューズによると、排気システムを手掛ける独エルリングクリンガー(ElringKlinger)のステファン・ウォルフ最高経営責任者(CEO)は独紙に対し、自社は中国政府から求められていないものの、独サプライヤー3社が求めに応じて合弁事業の提携先を探していると説明。「実際にそうなれば知的所有権(IP)の侵害で、企業の50%が持って行かれることになり、事実上の収用になる」と語った。

 中国政府は、国外の自動車メーカーに対する強硬なスタンスとは一線を画してきた。メーカーに対しては、国内で拠点を開設する条件として地元企業との合弁設立を義務付けているが、サプライヤーに対しては適切な提携先を見つけるよう求めるにとどまっていた。

 メーカーとティア1サプライヤーはこれまで、中国市場進出に対して政治・ビジネス上の支援を得る手立てとして、現地企業との合弁を活用してきた。しかし、中国政府は国外企業が市場を席巻し始めるにつれて危機感を募らせ、サプライヤーに対しても合弁を条件化する姿勢に転じた格好だ。

 しかし、合弁の義務付けが欧米企業にとって後退とみなされるのは必至だ。1つには、合弁の経営権は株式51%を所有する企業ではなく、両社で構成される経営陣や取締役会に委ねられるため、経営の舵取りや関係の維持に困難がつきまとう。このほか、IP窃盗が耐えない中国において、提携先の現地企業に自社技術を開放するリスクがある。

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