加州で西ナイル熱が猛威〜深刻な干ばつの影響か

 カリフォルニア州で現在、西ナイル熱が猛威を振るっており、干ばつが感染の拡大を促進している可能性が高い。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、同州の今年の人への感染報告は9日時点で238件に上り、前年同期の117件、過去5年の平均74件を大幅に上回っている。今年の死者は9人で、前年は通年で15人。西ナイル熱には有効な薬品やワクチンがない。

 州公衆衛生局の幹部によると、今年は州内で確認されたウイルス感染蚊の数がこれまでより多く、人への感染拡大の一因となっている。このウイルスの主要な保有者は鳥で、蚊がウイルスを持つ鳥の血を吸って感染した後、人を刺してウイルスを媒介する。今が人への感染リスクが最も高まる時期であり、感染者は今後も増える見通し。

 過去10年、国内各地で西ナイル熱の感染が起き、今年はテキサスやルイジアナでも増えているがカリフォルニアほどではない。今年の加州での感染拡大には深刻な干ばつが影響している可能性があり、ウイルスを持つ鳥の水飲み場が減って都市部の水源の周辺で蚊と接触する機会が増えていると見られる。

 また、気温が異常に高くで蚊が増えていることも状況に拍車を掛けている。最も感染が広がっているのは南部のオレンジ郡で、人への感染は85件と他郡の3倍を超えている。

 西ナイル熱は最初アフリカで発生し、1999年に米国に上陸した。ほとんどの人は感染しても重症には至らないが、全体の1%以下、特に糖尿病や高血圧を抱える50歳以上のグループは、脳炎や髄膜炎といった深刻な神経系疾患にかかるリスクが高い。

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