アップル・ペイ、モバイル決済の原動力に? 〜 交通機関やホテルでの応用も

 クレジット・カード大手の米マスターカードは25日、アップル(Apple)の新版iOSで導入されたモバイル決済機能のアップル・ペイに参加したことを正式に発表した。

 アップルが先日発売したアイフォーン(iPhone)6と同6プラスの利用者は、早ければ10月の初旬から、クレジット・カードや現金を取り出す代わりにアイフォーンを使って店頭での支払いを済ませることが可能となる。

 フォーブス誌によると、モバイル決済機能は10年近くまえから存在するが、米国の消費者や小規模小売業者が消極的であるため米国での普及が遅れているが、アップル・ペイによって米国でも本格的に浸透する可能性が高まるとみられる。

 グーグルやペイパル、スクエアー、そのほかのシリコン・バレー企業によってモバイル決済機能は何年もまえから出回っているが、普及に向けた決定的な原動力となったサービスはこれまで出てきていない。

 消費者は、新型アイフォーンに搭載されているアップル・ペイにクレジット・カードやデビット・カードの情報を登録し、画面上で指紋認証すれば、近距離無線通信(near-field communication=NFC)対応の販売地点(POS)システムを導入している小売店でその読み取り機にアイフォーンをかざすことで、支払いを済ませることができる。

 米小売業者のあいだでは、NFCに対応した非接触型読み取り機の普及率は10%以下とみられるが、それに対応する大手小売企業は増えている。また、クレジット・カード大手のマスターカードがアップル・ペイに参加したことは、モバイル決済サービスの実効的有用性を一気に高める要素になると期待される。

 アップル・ペイは、2015年春までに発売されるスマート腕時計のアップル・ウォッチにも搭載される。

 さらに、インベスターズ・ビジネス・デイリー紙によると、アップル・ペイはモバイル決済以外にも応用範囲を拡大する可能性がある、と予想する業界専門家も多い。

 サスケハーナ・ファイナンシャル・グループのクリス・カーソ氏は、アップル・ペイの応用例として、ホテル客室の解錠や図書館での書籍借り出し、公共交通機関を挙げる。

 同氏によると、アイフォーンに搭載されるモバイル決済用チップはNXPシリコンで、シカゴや中国で採用されている公共交通機関の支払いカードと同じシリコンだ。アップルがiOS 8で導入した指紋認証機能による安全性向上も手伝って、アップル・ペイが決済以外に応用されるようになる、と同氏は断言している。

 「Wホテルでは、アイフォーンとアップル・ウォッチのNFCに対応したアプリケーションによって従来型の客室用鍵に替える方針をすでに発表している」と同氏は述べた。

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