電力の未来を変える5つの動向 〜 消費者、公益会社、投資家の力関係に変化

 米国のエネルギーの未来を形づくる大きな変化に対し、5つの動向(傾向)が影響すると指摘される。

 エネルギー・マネージャー・トゥデイ誌によると、米国では老朽化した送電網の近代化が急務とされており、環境防衛基金(Environmental Defense Fund)では、向こう20年間に電力基幹設備の刷新に投じられる金額が2兆ドルに達すると見積もっている。

 この大きな変化は、公益会社と投資家、そして電力消費者のあいだの力関係を変える可能性がある。エネルギー・マネジャー・トゥデイでは、次の5つの動きが変化を方向づけると予想する。

 1)公益会社、量より質を重視

 現在の米国の規制枠組みは、消費者への価値の創造や環境保護よりも発電所や基幹設備の建設を奨励する仕組みとなっている。

 しかし、これから起きる変化は消費者に力を与えるものとなる。再生可能エネルギーの普及に対して公益会社は事業モデルを適応させ、行政は規制枠組みを変える必要がある。その動きはニューヨーク州やほかの州ですでに起こり始めている。

 2)クリーン・エネルギー投融資制度、さらに拡充

 ソーラー・パネルの設置や省エネルギー改修に対する投融資の制度がこれまで以上に確立するだろう。

 投資家を見つけて大小さまざまの住宅向け改修を支援する制度は、各州で導入されるようになっている。

 また、商業建物の分野では、省エネルギー改修プロジェクトの効果測定に標準が確立しつつあり、建物保有者の投資判断を促している。

 3)送電網の民主化

 需要反応のように、消費者が参加して電力消費量を調整することによって金銭的見返りを享受できるようにする制度は、送電網の効率化だけでなく民主化を後押しする。

 関連した概念として、屋根上ソーラー・パネルや蓄電設備を使った分散型エネルギー管理も主流になるとみられる。この分野では、カリフォルニア州が先陣を切っている。

 4)蓄電技術の向上

 蓄電技術の革新は日進月歩だ。蓄電技術が改良されて普及すれば、再生可能エネルギーが主要電力源となることも不可能ではない。

 蓄電システムはごく最近まで1キロワット時あたり1500ドルすることもあったが、昨今では500〜700ドルまで低下しており、さらなる値下がりを続けている。

 また、蓄電産業は雇用創出にもつながり、いまのところノース・カロライナ州やイリノイ州がその恩恵を受けている。

 5)連邦政府の支援政策

 環境保護庁(EPA)がさきに提案した「クリーン・パワー・プラン」は、そういった動向や傾向をすべてつなぎとめる「要」の役割を果たす可能性がある。

 同計画は、発電所の排出量に上限を設けるとともに、各州が排出量削減目標を達成するにあたって大きな柔軟性をもたらす内容となっている。

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