水を使わないソーラー・パネル清掃ロボット 〜 イスラエルの新興企業が開発
- 2014年12月8日
- 環境ビジネス
イスラエルの新興企業エコピア(Ecoppia)は、水を使わずにソーラー・パネルの表面を清掃するロボットを開発した。
2013年1月に設立されたエコピアは、その数ヵ月前からこのロボットの開発に取り組んでいた。ロボットは1台の重量が約86キログラムで、八つの車輪に付いた二つの大きなマイクロファイバー製ブラシでソーラー・パネルを掃除する。
ギガOM誌によると、同社のロボットは、300メートルx6メートルの範囲に設置されたソーラー・パネル群にもっとも適するように設計されている。12ボルトの鉛蓄電池を電源とし、夜間になると稼動してパネルを清掃し、清掃が終わればドッキング・ステーションに戻ってマイクロファイバーに付着したほこりを落とし、日中に太陽光発電で充電する。
同社のエラン・メラー最高経営責任者(CEO)によると、1台のロボットで毎晩数百枚というパネルを清掃できる。
陸上にパネルを大量に設置する大型発電所では、発電効率を保つためにパネルにちりやほこりが積もらないよう清掃が欠かせない。特に中近東やインドでは、清掃しないでいると発電効率が10〜35%も落ちる可能性がある。水を使用せず人件費もかからない清掃ロボットは、コスト削減と環境配慮の両面で有望視されている。
エコピアのロボットは現在、アラヴァ・パワー(Arava Power)に導入されており、イスラエルのネゲブ砂漠にある5メガワット級の太陽光発電所に2014年に導入された。今後、アラヴァの40メガワット級の施設にも導入される予定だ。
エコピアはロボットの販売と設置サービスを収入源としている。同社によると、ロボットの設置コストは1ワットあたり3〜6セント。
これまで約1年間の運用で集めたデータにもとづけば、300メガワット級の発電施設であれば20年間で8億4000万リットルが節水され、かつ電力売上高が1億8000万ドル拡大する、と同社は見積もっている。ただ、それらの数値は国や地域によって大きな開きがある。
ソーラー・パネル製造大手のサンパワーは、パネル清掃ロボットのメーカーであるグリーンボティクス1年前にを買収した。グリーンボティクスのロボットは水を使うが、その使用量は手作業に比べて最大90%減とみられる。
エコピアのロボットは現在、アラヴァの発電所のパネルを月50万枚ほど清掃している。アラヴァではパネル清掃ロボットを毎晩稼動しているが、サンパワーのカリフォルニア州の施設では年に数回しか清掃していない。
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