イーベイ、人員を大幅削減へ〜15年末のペイパル分離に向け

 インターネット競売最大手イーベイは、2015年末までに実施する電子決済サービス部門ペイパル(PayPal)のスピンオフ(分離・独立)に備え、来年初頭に大幅な人員削減の実施を検討している。

 ウォールストリート・ジャーナルが関係者の話として伝えたところによると、削減はまず中核事業の競売部門が対象になる見込みで、全社員の10%に当たる3000人以上となる可能性もある。競売部門にはイーベイ・コム(eBay.com)のほかチケット販売事業のスタブハブ(StubHub)が含まれ、ペイパル部門よりは利益を出しているが、成長ペースは遅く、アマゾンやアリババ・グループ・ホールディングなどの追い上げに直面している。

 アナリストによると、イーベイは単独になれば買収の対象になりやすく、人員削減は買収企業にとって重要な判断基準となる営業コストの削減にもつながる。営業コストはイーベイ全体で14年1〜9月に大幅14%増の64億ドルに達し、売上高のほぼ半分を占めている。

 ペイパル分離計画は、決済サービス事業に乗り出した他のインターネット企業とは対照的だ。アップルは10月から「アップル・ペイ」を始め、アイフォン利用者が同端末を使って店のレジで商品を購入できるようにした。アマゾンも独自のおサイフケータイ機能や実店舗向けのクレジットカード処理装置を発表している。

 イーベイの社員数は13年末時点で3万3500人。ペイパルと競売部門でほぼ均等に二分されている。14年第3四半期の売上高は、競売部門が前年同期比6%増の21億6000万ドル、ペイパルは20%増の19億5000万ドル。

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