LGA空港に高架鉄道構想〜NY州クオモ知事が提案

 ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は20日、ニューヨーク市のラガーディア空港(LGA)を使いやすくするため、既存の地下鉄と接続する高架鉄道の建設構想を発表した。LGAは同市周辺にある3大空港のうち唯一鉄道が通じておらず、公共機関はバスしかない。鉄道乗り入れ計画は過去に何度となく提案されたが、いずれも実現しなかった。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、知事が提案した計画は、NY市中心部からグランド・セントラル・パークウェイ沿いを走り、クイーンズ区のウィレッツ・ポイントで地下鉄7番線および郊外電車ロングアイランド鉄道(LIRR)と接続するという内容。建設コストは4億5000万ドル、5年以内の完成を目指す。

 建設事業は、空港を管理するニューヨーク・ニュージャージー港湾公社(ポートオーソリティー)が、NY市の公共輸送機関を管理するニューヨーク州都市交通局(MTA)と協議しながら進める。資金は州と銀行との訴訟で銀行が州に支払った50億ドルの和解金の一部など、既存の資金で賄う予定。

 クオモ知事は2期目に入り、 NY市内で建設中の地下鉄新路線を含むさまざまな公共交通機関整備に積極的に取り組む構えを見せており、市民団体の会合で行った演説では「ラガーディアに電車で行けない現状にはどんな言い訳も通用しない。数年以内にこの状況を変える」と話した。今週は別の機会にも「高速フェリーにも投資したい」と発言している。

 1990年代、当時NY市長のルドルフ・ジュリアーニ氏が地下鉄Nラインをラガーディアまで延長する案を提示。MTAも計画の検討に約1700万ドルを投じたが、地元市議やクイーンズ区住民の強い反対に遭って実現しなかった。

 しかしラガーディア空港行きの市営バスは昨年8月、主要路線のQ70で平日の平均利用者数が過去最高の3716人を記録しており、鉄道乗り入れ再検討の期は熟したとの声もある。ジョン・F・ケネディ国際空港(JFK)に2路線で乗り入れる高架鉄道「エアトレインJFK」ははるかに多くの客を運んでおり、2013年は600万人以上がジャマイカ線とハワードビーチ線を利用。14年も10月までの利用者が640万人を超えている。

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