ロボット開発へのベンチャー投資増える

 新興ロボット・メーカーのクリアパス・ロボティクス(Clearpath Robotics、カナダ)はこのほど、RREベンチャーズが率いる投資家グループから1120万ドルの資金を調達した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、同社は現在、陸、空、水上用の自走ロボットなどを軍に供給しているが、新しい資金で大手企業向けに事業を拡大し、危険、汚れる、単調といった作業に使えるロボット開発を目指す。マット・レンドール最高経営責任者(CEO)は「軍とは長い付き合いだが、産業界にはより大きな商機が存在すると考えている」と話した。

 ロボット業界は、安くて精度の高いセンサーやカメラ、バッテリー持続時間やCPUの処理能力の向上、オープンソースの基本ソフト(OS)など近年の技術革新を受けて活況を呈しており、ベンチャー投資家は今年に入って、家庭用コンパニオン・ロボットのジボー(Jibo)、軽工業用ロボットのフェッチ・ロボティクス(Fetch Robotics)、リシンク・ロボティクス(Rethink Robotics)の3社に合わせて5800万ドルを投資している。

 ただし投資家がこれまで常にロボットに注目してきた訳ではない。レンドールCEOによると、クリアパスを設立した2009年当時に訪ねた個人投資家たちは、ハードウェア企業、特にロボット関連にはまったく関心を示さなかったという。同社は何とかエンジェル投資家(新興企業に資金を提供する富裕な個人)から計36万5000ドルを調達し、注文をこなして事業を採算ベースに乗せた。

 その後はロボットや自走車用ソフトウェア・プラットフォームの販売などで業績を伸ばし、今ではインテル、ダウ・ケミカル、ロバート・ボッシュなどの大手企業とも取引している。

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