テスラ、モデルSを改良〜全輪駆動で航続距離も伸びる

 電気自動車(EV)メーカーのテスラ・モーターズは、高級EVセダン「モデルS」のうち、最も安いモデルの改良型を発表した。車載バッテリーの性能を引き上げたほか、全輪駆動(AWD)を採用。同時に販売価格も高くした。

 AP通信によると、改良モデルの名称は「モデルS 70D」で、価格は7万5000ドル。容量70キロワット時(kwh)の電池を搭載し、1回の充電で走れる距離は240マイルと従来モデルより15%長くなった。

 改良版の発表と同時に、最も安い7万ドルの「モデルS 60」は販売を終了した。従来モデルのバッテリー容量は60kwhで、後輪駆動だった。70Dの電動モーターの出力は従来版の380馬力から514馬力に上がった。

 イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)によると、7500ドルの連邦税控除を差し引けば70Dの価格は6万7500ドルになり、州によってはさらに税優遇がある。同じ高級中型セダンのBMW5シリーズ(5万ドル〜)、メルセデスベンツのEクラス(5万2000ドル〜)と比べ、ガソリン代の節約効果を考えれば価格は同等になるという。

 マスクCEOはまた、北東部など寒冷地の消費者を引きつけられるよう「テスラにはAWDモデルが必要だった」と説明する。同地方は高級車が売れる地域であり、ケリー・ブルー・ブックによると米高級車市場ではAWD車が約58%を占める。

 テスラは今年下半期、スポーツ多目的車(SUV)「モデルX」の発売も計画している。

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