テスラ、「エネルギー革新企業」を自負 〜 ソーラーシティーにも蓄電池を供給
- 2015年5月11日
- 環境ビジネス
テスラ・モーターズ(Tesla Motors)が先日発表した蓄電システム製品は、一般世帯や企業が電力をどのように消費するかを変える可能性を秘めるとみられる。
インフォメーション・ウィーク誌によると、電気自動車(EV)の生産が本業のテスラ・モーターズは、自身をEVメーカーとしてではなく「エネルギー革新企業」と位置付けており、蓄電システムを家庭向けと業務用に製品化し販売することで、再生可能エネルギー戦略を推進する方針だ。
同社が発表した家庭向け蓄電システム「パワーウォール(Powerwall)」には、既存の競合製品より大幅に安い7キロワット時で3000ドルと10キロワット時で3500ドルの2種類がある。再生可能エネルギーや夜間の安い電力を蓄電し、電気代の高い昼間に使うことを可能にする。
パワーウォールは、2015年晩夏までに発売される見込みだ。設置には設置料(工事費)がかかる。
アマゾン(Amazon)は、パブリック・クラウド・サービスのAWS(Amazon Web Services)の電源として、テスラが発表した業務用蓄電システムの試験運用をすでに初めている。
データ・センター・ノーレッジ誌によると、アマゾンの試験運用は、カリフォルニア州北部にあるデータ・センターで進められており、使用蓄電池の容量は最終的に4.8メガワット時に達する。
テスラの蓄電システムは、電気自動車のパワートレイン構造と部品を使って開発された。電池とパワー・エレクトロニクス、熱管理機能、そしてコントロールを統合したシステムだ。
パワーウォールには法人利用向けの100kWhの機種があり、500kWHから10MWhに拡張可能だ。
アマゾンのほかにも、小売チェーン大手のターゲットや省電力化ソフトウェア開発大手のエナーNOC(EnerNOC)、ジャクソン・ファミリー・ワインズ(Jackson Family Wines)もテスラの業務用蓄電システムの試験運用を決めている。
さらに、マスク氏のいとこであるリンドン・ライヴ氏が経営するソーラーシティー(SolarCity)は、太陽光発電大手として最初にパワーウォール群を実装し、太陽光電力を蓄電することで安定給電システムの拡充を図る。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
デラウェアとテキサス、企業の法的拠点誘致で火花
-
2025年3月20日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス, 自動車関連
電動大型トラック販売が窮地に~加州、規制の不明確化で
-
膵臓がんの早期発見、人工知能の活用で劇的に前進 〜 メイヨー・クリニックの教授ら、精度92%の人工知能モデル群を構築
-
ムーンペイ、法人向け暗号決済市場の開拓に注力 〜 ステイブルコインに照準、アイアン買収で機能拡充
-
毎日出社義務化が人材流出の原因に 〜 経営陣の思惑と従業員の希望がすれ違い
-
玩具業界も関税による深刻な影響を懸念
-
2025年3月13日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
サイバーセキュリティー保険の現状と注意点 〜 攻撃増加で重要性が拡大、2025年の見通しは?
-
2025年3月10日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 世界のニュース, 米国ビジネス
ダッソー・システムス、アップル・ヴィジョン・プロ用アプリケーション群を提供へ〜三次元VR/AR機能を製品設計や製造業に提供
-
2025年3月6日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
将来のAVはブランド色がより鮮明に
-
一時代を築いたスカイプ、5月に終焉 〜 マイクロソフト、チームスへの移行を奨励