テスラ、「エネルギー革新企業」を自負 〜 ソーラーシティーにも蓄電池を供給

 テスラ・モーターズ(Tesla Motors)が先日発表した蓄電システム製品は、一般世帯や企業が電力をどのように消費するかを変える可能性を秘めるとみられる。

 インフォメーション・ウィーク誌によると、電気自動車(EV)の生産が本業のテスラ・モーターズは、自身をEVメーカーとしてではなく「エネルギー革新企業」と位置付けており、蓄電システムを家庭向けと業務用に製品化し販売することで、再生可能エネルギー戦略を推進する方針だ。

 同社が発表した家庭向け蓄電システム「パワーウォール(Powerwall)」には、既存の競合製品より大幅に安い7キロワット時で3000ドルと10キロワット時で3500ドルの2種類がある。再生可能エネルギーや夜間の安い電力を蓄電し、電気代の高い昼間に使うことを可能にする。

 パワーウォールは、2015年晩夏までに発売される見込みだ。設置には設置料(工事費)がかかる。

 アマゾン(Amazon)は、パブリック・クラウド・サービスのAWS(Amazon Web Services)の電源として、テスラが発表した業務用蓄電システムの試験運用をすでに初めている。

 データ・センター・ノーレッジ誌によると、アマゾンの試験運用は、カリフォルニア州北部にあるデータ・センターで進められており、使用蓄電池の容量は最終的に4.8メガワット時に達する。

 テスラの蓄電システムは、電気自動車のパワートレイン構造と部品を使って開発された。電池とパワー・エレクトロニクス、熱管理機能、そしてコントロールを統合したシステムだ。

 パワーウォールには法人利用向けの100kWhの機種があり、500kWHから10MWhに拡張可能だ。

 アマゾンのほかにも、小売チェーン大手のターゲットや省電力化ソフトウェア開発大手のエナーNOC(EnerNOC)、ジャクソン・ファミリー・ワインズ(Jackson Family Wines)もテスラの業務用蓄電システムの試験運用を決めている。

 さらに、マスク氏のいとこであるリンドン・ライヴ氏が経営するソーラーシティー(SolarCity)は、太陽光発電大手として最初にパワーウォール群を実装し、太陽光電力を蓄電することで安定給電システムの拡充を図る。

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