ドイツで売れているスマート蓄電システム 〜 個人が開発、年間数百台を販売
- 2015年5月11日
- 環境ビジネス
ドイツの一個人によって発明されたスマート太陽光蓄電システムが、ドイツで年間数百台の売れ行きを記録して関心を集めている。
そのシステムを発明したのは、ドイツ南西部のウムキルヒという小さな町に住むウォルフラム・ウォルター氏だ。
クリーンテクニカ誌によると、同氏は、自宅の屋根にソーラー・パネルを数年前に設置したが、「わずか4日でがっかりさせられた」と話す。「日中に発電した分は送電網に送られ、夕方帰宅すると電力を買い戻さなければならない」「しかも、買い戻す際の料金は、日中に販売する際の料金よりも高かった」。
同氏は、市販されている蓄電池を見回したが、どれにも満足できず、一般的なリン酸鉄リチウムの電池を購入して創意工夫に乗り出した。
出来上がったシステムは、ドイツ語で「太陽貯蔵」を意味する「ソーネンスパイカー(Sonnenspeicher)」と呼ばれている。ソーネンスパイカーは、ソーラー・パネルが発電する電力を、電子技術とソフトウェアの組み合わせのシステムで精密に管理し、どれだけ蓄電してどれだけ売電するかを制御する。また、電池の寿命と効率を最適化することもできる。
ソーネンスパイカーは、「小型冷蔵庫ほどの金属の箱」で、ソーラー・パネルに接続して使われる。
この種のスマート蓄電装置は特に新しい案ではないが、同氏の発明は、ドイツの革新的な再生可能エネルギー製品に贈られる賞を2013年に受賞した。当時は、自宅で試験を始めてまだ1年未満の段階だったが、それから2年未満でオートマティック・ストレージ・デバイス(Automatic Storage Device)を設立し、年間数百台を販売している。
ウォルター氏は現在、次世代機種の開発に取り組んでいる。初代よりも小型で安価、さらに効率も高めた製品となる予定だ。
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