金融会社、接続車向け技術応用に注目 〜 残高照会やガソリン代決済を検討

 金融サービス業界は、消費者向け業務のモバイル化や新サービス開発の一環として、インターネット接続車両の活用を検討している。

 アメリカン・バンカー誌によると、金融技術ベンダー世界最大手のFISは、預金残高の確認といった銀行関連手続きの音声操作の方法や、給油所で車両によって顧客を認識し、ガソリン料金を指定口座から引き落とす決済方法の開発を検討している。

 かたやUS銀行(U.S. Bank)は、車向けにガソリンの宅配を注文できる消費者向けサービスの構想を紹介する動画をユーチューブで公開した。その動画では、エンジンの状態や駐車場所といった車両関連データをスマートフォン用アプリケーションと共有できるオートマティック・ラブズ(Automatic Labs)製の車両プラグイン用機器が紹介されている。

 また、米軍人に保険や金融サービスを提供するUSAAも、オートマティック・ラブズの技術に関心を示し、同社に投資している。USAAはオートマティック・ラブズの技術を活用して、緊急時に会員を支援する方法を模索している。オートマティック・ラブズの技術を使えば、車両の衝突を検知して緊急通話を発信し、家族や緊急連絡先に通知するといったことが可能となる。

 一方、アクセンチュア(Accenture)傘下のフィヨルド(Fjord)は、インターネット接続車両の可能性に関する報告書を先日発表し、そのなかで、保険会社が検出器を使って自動車保険加入者の運転を監視し、月額保険料の査定に役立てるといった応用案のほか、「電話機で制御されるさまざまの機器の集合体の一部」としての車両の可能性に言及した。

 アクセンチュアによると、現金自動支払機(ATM)にATMカードの代わりに車両で口座を認識させたり、運転手の習慣をもとに食料品の買い物リストを車両に作成させ、小売業者がそのリストをもとに車両の店舗到着に合わせて購入品を用意したりといった可能性が想定される。

 世界経済フォーラムも最近の報告書のなかで、たとえば保険会社がインターネット接続車両の走行情報を追跡し、タイヤの劣化を予想、あるいは修理のための割引特典を運転手に提供するといった応用例を紹介した。

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