GE、蓄電事業戦略を見直し〜蓄電池製造から業務拡大へ

 ゼネラル・エレクトリック(GE)は、この1年で蓄電事業戦略を大幅に見直し、産業用蓄電池事業デュラソン(Durathon)を縮小してより大きな蓄電システムの提供に力を入れ始めた。

 風力やソーラーといった断続的なエネルギー源への依存度が高まる中、電力需要が急に高まってもすぐに給電網に電力を追加できる産業用蓄電システムの需要が高まっている。ロイター通信によると、GEは不安定な発電量を管理するために電気をためておく蓄電システム市場が2020年までに60億ドルと4倍に拡大すると予想しており、市場を支配したいと考えている。

 ただし自社で開発した蓄電池デュラソンは需要が伸び悩んでいるため、今年初めに生産を縮小してニューヨーク工場の雇用を200人から50人に削減。化学分解の管理など持続時間の改善に努めている。

 一方で現在は、蓄電システムの導入を望む発電会社向けに、インバーター(直流を交流に変換する装置)、制御システム、ソフトウェア、融資など必要なものをすべて提供する総合サービス事業者になろうとしており、他社製のリチウムイオン電池を使う蓄電パッケージなども提供している。

 15年4月以降、カリフォルニア州とカナダ・オンタリオ州でリチウムイオン電池を使った蓄電システムの供給契約を2件取り付けており、年内にはさらにもう1件契約を発表する予定だという。

 この市場はまだ非常に細分化されており、シーメンス、ABB、AESといったエネルギー大手を含む約20社の大企業のほか、 大手電池メーカーや多くの新興企業などが競い合っている。

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