会社が従業員の意見を聞き、それを経営に反映させるための方法を提供する新しいHR(人材資源)技術が開発され、企業から注目されている。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、最近は有能な従業員の確保が難しくなっており、企業にとっては社員の満足度を高めてとどまらせることが重要になっている。
そのため、職場の課題を迅速に把握して賢く対応するためのソフトウェアが求められている。ラスベガスで最近開かれた技術展示会「HRテクノロジー」では、複数の小さな新興企業が、会社の経営方針をはじめ、上司や、職場の状況、就労環境に関する意見を社員から集められるツールを披露した。
カリフォルニア州オークランド拠点のグレート・ハイヤーズ(Great Hires)では、ウェブ基盤のツールを使って就職希望者と雇用主に対等な出会いの場を提供しようと試みている。
グレート・ハイヤーズのツールの場合、面接官の名前をはじめ、その面接官の履歴情報やブログ、ソーシャル・メディアへのリンク、業績報告書、社員の証言といった会社に関する情報を求職者に提供する。
一方、サンフランシスコ拠点のハイフン(Hyphen)は、会社が社員の本音を知るために社員同士の匿名の会話を聞けるモバイル専用アプリケーションを開発している。
ハイフンの信条は、社員中心、匿名、モバイル専用で、幹部からの投稿は「幹部陣(official)」と記され、社員は自分の意見に対して上司から質問や回答が来たことを知ることができる。
ただ、すべての大企業が従業員の率直な意見を聞きたいと思っているかどうかは不明だ。意見交換をそこまで透明にする準備が整っていない企業や、匿名の意見収集ツールが職場の士気を下げると懸念する企業もある。
そこで、サンフランシスコ拠点のカンジョーヤ(Kanjoya)は、従業員の感情に関する情報をより受け身の方法で集めたいと考える企業のために、感情分析(センチメント・アナリシス)と呼ばれる調査ツールを販売している。
同ツールは、ブログへの投稿や意識調査への回答を企業が社員に呼びかけ、その文章を通して社員の考え方を分析するという方法。カンジョーヤの顧客にはインテルのような大企業も含まれる。
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