通信機器大手アルカテル・ルーセント(Alcatel-Lucent)は人材資源管理(HR)関連システムをクラウドに移行させたことで、2013年からの2年間でHR経費を30%削減した。
同社のローレン・ジェフロイHR担当副社長は、パリで開催されたHRテック会議(HR Tech Congress)で講演し、同社の取り組みについて説明した。
デジノミカ誌によると、アルカテル・ルーセントは、中央処理された従来のHR関連業務を見直し、従業員および管理者によるセルフサービスを活用することによって、通信網管理者経由でHR関連サービスのクラウド提供に移行した。
その方法では管理者が意思決定権限を持ち、世界のどこからでも業務の流れを管理することが可能になる。
また、既存の60のHRシステムをクラウド基盤技術に置き換えることによって、世界100ヵ国で5万人の従業員に、一貫性のあるサービスを提供できると考えた。
ジェフロイ副社長はクラウド移行の背景について、「だれもが日常生活でデジタルのセルフサービス技術を使っている。(優秀な人材を確保するための)企業の課題は、職場の外にあるデジタル世界に追いつくこと」だったと話す。
アルカテル・ルーセントは現在、中核HR情報システム(HRIS)としてSAPサクセスファクターズ・エンプロイー・セントラル(SAP SuccessFactors Employee Central)を62ヵ国で導入。直感的で分かりやすい新システムは、全従業員の4分の3によって利用されている。
HRシステム変革においてもっとも困難だったことの一つは、社外での処理が可能な業務を外部委託する決定だった、と同氏は話す。人の異動をともなう変更への円滑な対応は、同社にとっていまでも課題となっている。
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