スタトイルもアラスカ撤退〜シェルに続き海洋探査を断念

 ノルウェーの石油大手スタトイル(Statoil)は19日までに、アラスカ州沖のチュクチ海(北極海の一部)における海底油田探査事業から撤退すると発表した。

 ロイター通信によると、石油業界は過去6年で最も激しい原油価格の下落を受けて、莫大な費用がかかる海洋プロジェクトへの支出を削減しており、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルも今年9月末にチュクチ海の探査活動を停止すると表明したばかり。シェルはこれまでアラスカ沖の探査に約70億ドルを投じており、チュクチ海からの撤退に伴い26億ドルの特別損失を計上している。

 北極圏には大量の石油資源が眠っていると考えられているが、チュクチ海はニューヨーク市のマンハッタン区ほどの大きな氷山が連なる厳しい海域。スタトイルは、リース(鉱物採掘権)を取得していた16鉱区およびコノコフィリップスの契約に参画していた50鉱区から全面撤退する。

 コノコフィリップスはチュクチ海に関する計画を保留中だが、17日に行った第3四半期(7〜9月)決算発表では、他のプロジェクトに予算を回すため2017年までにすべての深海探査から撤退する意向を表明している。同社は現在、メキシコ湾およびセネガル、アンゴラ、カナダ沖で深海採掘事業を展開している。アラスカ沖は水深が浅い部分が多い。

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