エトナ、同業買収阻止なら個人保険縮小を司法省に警告

 同業の買収に関して7月下旬に司法省から訴えられた医療保険大手のエトナが同省に対し、もし買収を阻止するなら医療保険改革法(オバマケア)の下で開設された個人向け医療保険の比較購入ウェブサイト「エクスチェンジ」への関与を弱めると、事前に書簡で警告していたことが分かった。
 
 ウォールストリート・ジャーナルによると、エトナが司法省に宛てた書簡は7月5日付で、買収が実現しなかった場合の影響について情報提供を求めた6月末の同省の要請に基づき、マーク・ベルトリーニ最高経営責任者(CEO)が返答した。書簡の存在は、ハフィントン・ポストが最初に報じた。
 
 強い表現で書かれた書簡の中でベルトリーニCEOは、「われわれの買収契約が阻止された場合、エクスチェンジ事業から全面的に撤退し、経営効率の良いほかの事業を計画しなければならない」と伝えている。保険会社と当局の対立が明らかになったことで、エクスチェンジを原因とする保険会社の赤字問題にどう対処するかの議論が高まりそうだ。
 
 司法省は、売上ベースで国内3位のエトナによる4位ヒューマナ買収と、2位アンセムによる5位シグナの買収がそれぞれ反トラスト法(米独占禁止法)に違反するとして、撤回を求めてワシントンDCの連邦地裁に提訴した。これを受けた形でエトナは今月15日、採算が取れないことを理由にエクスチェンジ事業を縮小し、15州で行っていたオバマケアに基づく個人向け保険販売を来年から4州に減らすと発表している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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