小売り大手ウォルマート・ストアズは、ファッション衣料のウェブ販売強化を目的に、紳士服の新興サイト、ボノボス(Bonobos)に買収を持ちかけている。
ロイター通信によると、買収が実現すれば、通常はウォルマートで買い物をしないY世代への販路開拓が期待できる。ウォルマートは2016年8月に新興のオンライン小売店ジェット・コム(Jet.com)を33億ドルで買収。これに伴いジェットの設立者でCEOを務めていたマーク・ロア氏がウォルマートのeコマース部門を統括するようになり、現在はe事業の拡張に取り組んでいる。
ウォルマートは、実店舗では世界最大の小売店だが、ウェブ販売では服をオンライン購入する傾向が強い若い富裕層の引きつけに苦労しているほか、有名な衣料ブランドからウェブ販売の合意を取り付けられずにいる。
ウェブ販売の売り上げ構成比は約3%にとどまっており、17年下半期はウェブ販売を20〜30%増やしたい考えだ。ウォルマートは17年、すでに靴のシューバイ(ShoeBuy)、アウトドア衣料のムースジョー(Moosejaw)、婦人服のモッドクローズ(ModCloth)と、3件の小さなウェブ販売業者を買収しており、ロア氏は3月に「事業を急拡大させるためさらに買収を実施する」と語っていた。
一方、米国のオンライン衣料・靴販売市場を主導するアマゾンは、16年の売上高が130億ドルと5年前の90億ドルから大幅に増加。ユーロモニターとフォレスターによると、向こう4年間に米アパレル市場シェアを3倍に拡大すると見込まれる。
ウォルマートは過去15年間にeコマースに多額を投資し、ジェット・コム買収前の5年間にも15社を超える新興企業を買収しているが、まだアマゾンには大きく水をあけられている。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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