冷蔵コンテナの需要高まる〜ペースは普通コンテナの2倍

冷蔵・冷凍が必要な貨物の輸送で使われる特殊コンテナの需要が急増してい る。
 
■生鮮食品の需要上昇で
 
 ウォールストリート・ジャーナルによると、「リーファー(reefer)」とも呼ばれる温度管理可能なコンテナは、食品を1カ月以上も新鮮に保てるため、さまざまな食品を世界中に安全に出荷できる。一方、近年はアジアを中心に世界中で生活水準が高まった結果、高価な食品の需要が増えている。フランスの海運大手CMA CGMのリーファー担当者は「中産階級が増加し、もうコメのような基本食だけでは足りなくなった。果物、野菜、精肉などが求められ、冷蔵輸送する物が増えている」と話す。
 
 海運市場調査のドルーリー(Drewry)によると、コンテナ全体に占めるリーファーコンテナの比率は7%だが、需要は過去5年間に年5〜6%のペースで拡大しており、普通のドライコンテナ(2〜3%)の2倍となっている。同社の供給チェーン・コンサルタントによると、生鮮食品の輸送が堅調に増えているだけでなく、オレンジジュース、医薬品、電子たばこ関連用品、キャンディといった比較的新しい商品も増えて市場を支えているという。リーファーを含むコンテナは年間約4兆ドルの貨物を輸送している。
 
■中小業者でも輸出が簡単
 
 リーファーによる輸送の主要路線は南半球から北半球向けで、南米、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどの輸出業者が、北半球の冬季に生鮮食品を送って需要に対応している。また米国とカナダも、アジア向けを中心に肉や水産品、野菜、柑きつ類などを輸出している。コンテナ海運最大手マースク・ライン(デンマーク)のリーファー管理担当者は「10年前はデンマークでイチゴを見るのは年に3カ月だったが、今はリーファーがあり、小さな荷主から大きな荷主まで誰もが供給チェーンに加われるため年中見られる」と指摘する。
 
 小さな荷主の1つ、ペルーのサン・フルーツ・パックスは「リーファーはビジネスの生命線。今では欧米にコンテナ1つ分の果物でも送ることができ、地元で売るより最大50%高値で売れる」(幹部のウォルター・ムニョス氏)と話す。例えばペルーからフィラデルフィアにブドウを送るには18日かかるため、温度管理された状態で果物を眠らせ、東海岸の店頭に並ぶまで成熟を遅らせている。生鮮食品は1990年代末まで、大きな冷蔵スペースがあるばら積みの貨物船で、生産地から特定の場所に向けて運ばれていた。船はチキータのような生産販売大 手が運営していたため貨物はバナナが多く、小さな生産者は送料が高すぎて船を使えず地元で商売するしかなかった。しかし最近はチキータも徐々にリーファーが積めるコンテナ船に切り替えており、2018年はマースクからコンテナ船をチャーターし、内部の二酸化炭素、酸素、窒素量を管理できるリーファーを2500個注文した。
 
■新市場の開拓
 
 マースクやCMA CGMは、事業を拡張するため現在は空輸されている商品をリーファーで運ぶ可能性を検討している。マースクは「バラのような切り花は大きな市場。開花を送らせる方法を考えている」と話し、CMA CGMはカナダから欧州向け路線などで生きたロブスターの小規模なリーファー輸送を始めている。リーファー水槽はろ過機構によって海と同じ温度、酸素量、水質が保てるため、料金は空輸と同じだが海上輸送の死亡率はゼロ。空輸のロブスターはストレスでアンモ ニアを放出し、味に影響することもあるという。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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