飲料大手コカ・コーラがこのほど発表した2018年4〜6月期の販売量は、ダイエット系炭酸飲料の需要増や海外での実験的試みなどによって増加した。一方、同社は北米で炭酸飲料を値上げすると発表した。関税対策が理由だが、値上げの詳 細は不明。
ウォールストリート・ジャーナルによると、ジェイムズ・クインシーCEOは値上げについて、輸送費の高騰や、中国からの輸入品に米政府が関税を導入したことによる金属価格の上昇などに対応した動きだと説明した。「ボトラーや小売店 は価格上昇分を消費者に転嫁するだろう」との見通しも示した。
コカ・コーラは、 定番商品に新種の炭酸飲料や大豆飲料を加えるなど、甘味飲料以外の品ぞろえ拡大を進めている。4〜6月期は、味がオリジナルの「Coke」に似たダイエット版「Coca-Cola Zero Sugar」の好調で販売量が増加し、米国における長年の「Diet Coke」低迷に歯止めがかかった。同社は18年初め、細めの缶入り「Diet Coke」のほか「Zesty Blood Orange」など4つの新フレーバーを導入していた。
クインシーCEOは「こうした変化で既存の顧客をつなぎとめることができ、人々は新商品を試している」と述べた。
既存事業の売上高(為替変動や買収・売却を除く)は、濃縮果汁の販売増や商品価格の引き上げが寄与して前年同期比5%増加した。全体の売上高はボトリング事業の売却により8%減の89億ドル、純利益は前年同期の14億ドルから23億ドルに増加した。
飲料全体の販売量は2%増で、うちコカ・コーラ・ブランドは2桁台の大幅増を記録した。炭酸飲料は2%増、水と機能性強化水(enhanced water)、スポーツ・ ドリンクも4%増加したが、コスト高により容器を縮小したジュースや、コーヒー、ティーは減少した。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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