販売外交員は時代遅れ?〜企業向け営業もネット主流に

企業の営業では、コンピューター・ツールの導入やオンライン販売の拡大で、現場を回るセールス要員の需要が大幅に減少している。

■人よりウェブ

ブルームバーグ通信によると、製造業やデータ入力分野で多くの労働者を置き換えたオートメーションの波は、今や全米の営業職、特に商用顧客を相手にするB2Bセールス要員に打撃を与えている。コンサルティング会社パラダイムB2Bのアンディ・ホア氏は「ある時点で客がウェブ経由の契約を好むようになり、会社が抱き合わせ販売(cross-sell)やより高額な商品を売る(up-sell)ためのアルゴリズムを使い始めると、すぐにセールス要員はやることがほとんどなくなる」と指摘する。氏は「企業向けセールス担当者は2020年までに100万人減少する可能性がある」と予想しており、過去3年間もオンラインでの購入を好む顧客は増え続けている。

オンライン販売を強化する営業チームを社内に置く動きが加速している背景には、仕入れ担当者の間で高価な商品でもオンラインで発注する動きが強まり、新しいデジタル解析ツールで彼らに売り込みの照準を合わせやすくなったという状 況がある。

フォレスター・リサーチ調査では「セールス担当者を通してではなくオンラインで注文したい」というB2Bバイヤーが15年は53%だったが、16年には68%に増えている。

■担当を送るのは上客だけ

特にリスクが高いのは、定期的に得意先を回って必要な品物の注文を受けるルート・セールスで、大手ディストリビューターは、より丁寧な対応が必要な相手や、売り上げの7割以上を占めるような上客にしかセールス担当者を送らなくなっており、それらは10社のうち1社ほどにすぎない。コンサルティング会社リアル・リザルツ・マーケティングのジョナサン・ベイン氏は「販売外交員を15人、報酬にして合計13万ドル程度を減らせば、大幅に利益率が改善されるため業績改善効果がある」という。

飲食店向け食料・調味料販売大手のUSフーズでは、13年に4000人の営業がレストラン回りをしていたが、ウェブ通販事業に多額を投資した今はその数が約2700人に減った。残った販売担当者は広い地域を受け持つ優秀な営業要員で、広報担 当者は「節約分の一部はチーム単位の新しい販売手法に投資し、シェフやレストラン経営コンサルタントなどのアクセスを顧客に提供している」と話す。

工具を中心とする資材販売で年間100億ドルを売り上げるWWグレインジャー(W.W. Grainger、イリノイ州)も、eコマースへのシフトなどに伴い実店舗数を5年前の390店から251店に減らし、約3000人のセールス要員の一部は400人の社内 営業チームを作るために配置換えした。 

一方、クレジットカード処理サービスのファットマーチャント(Fattmerchant、フロリダ州)は、販売外交員を1人も置かず、フェイスブックの「Lookalike Audience」のようなデジタル・ツールを使っている。

ただし、eコマースのコンサルタントらは誰もセールス担当者が消滅するとは考えておらず、複雑な医療機器やバックオフィス・ソフトウェア・システムなどの販売には知識の豊富な人間が欠かせないと見られている。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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