KLMオランダ航空(KLM Royal Dutch Airlines)は、同社サービスの年間利用者の10%に相当する約300万人に対し、スマートフォン用メッセージング・アプリケーション「ワッツアップ(WhatsApp)」を使って搭乗券を発行している。その基盤にあるのは、インドのタラ・コンサルタンシー・サービシズ(Tata Consultancy Services= TCS)との提携で実現したデジタル技術だ。
エコノミック・タイムズ誌によると、KLMは、業務効率と従業員の生産性向上、そして事業成長の加速を図るために、TCSとの協業によってデジタル技術の導入を積極化させてきた。
両社との提携関係は25年におよぶ。KLMによると、TCSは、KLMが目指す世界規模での従業員と乗客との関係構築への取り組みにとってもっとも重要な提携先だ。TCSにとっては、KLMは欧州での第一号顧客でもある。
KLMのピーター・エルバース社長はTCSとの提携について、従来のような単なる外注ではなく、KLMの事業知識やモデルをTCSの技術と組み合わせる「協働」の側面が強いと説明する。KLMは年間IT予算を公表していないが、TCSとの契約金額が膨大であることをエルバース氏は認めている。
同氏によると、TCSとの提携分野はモバイル・ソーシャル・メディアを含め多岐にわたる。両社はその一環として、KLMの顧客対応担当者らが航空便の時間変更やそのほかの業務について顧客と連絡をとるためのソフトウェアを開発した。
エルバート氏は、ソーシャル・メディアの普及を背景に、たとえば航空便の時間変更が生じた場合に、より丁寧かつ時宜にかなった情報を利用客が求めるようになったと指摘。ITソリューションの導入は、顧客対応の向上と経費削減を実現する好機である、という見方を同氏は示した。
かたや、TCSのラジェス・ゴピナサンCEOは、航空業界におけるモノのインターネット(IoT)応用の導入拡大に注目している。航空機の保守管理をはじめ、スケジューリングや貨物取り扱いといった空港サービスの両面に対する統合サービスの提供に商機がある、とゴピナサン氏は見ている。
【https://economictimes.indiatimes.com/industry/transportation/airlines-/-aviation/klm-airlines-enters-digital-territory-on-the-back-of-tcs-high-flying-tech/articleshow/65748144.cms】 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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