米、メキシコ国境閉鎖を示唆 〜 供給網の流れ変わる可能性も

中米諸国から米国を目指す移民集団(キャラバン)に絡み、トランプ大統領が米メキシコ国境の閉鎖をほのめかしたことで、メキシコからの物資をカリフォルニア周辺の顧客に輸送する企業が供給チェーンを変更する可能性がある。

■長期化すれば影響拡大

ウォールストリート・ジャーナルによると、メキシコのティフアナ〜加州サンディエゴ間にあるサンイシドロ国境検問所は、キャラバンが米国移住を希望して押し寄せたため一時的に閉鎖されている。トランプ大統領は移民を母国に帰すようメキシコに呼びかけ「必要となれば永久に国境を閉鎖する」とツイッターに投稿した。

大統領の言う国境閉鎖がサンイシドロ国境検問所に限定したものか、より広い地域を含めているのかは不明。過去に米国が国境を閉鎖したのは、2001年の9.11 同時多発テロ後に南部の国境の一部を閉鎖した例、17年5月に大雨と洪水で税関施設が被害を受けたテキサス州ラレドの国境検問所を一時閉鎖した例などがある。

米最大のトラック運送会社ナイトスウィフト・トランスポート・ホールディングスのケビン・ナイト会長は「閉鎖が数時間ならどちらの国の貿易にも大した影響はないが、国境全体で数日以上の長期間となると影響は大きい。毎日荷物を満載した何百台ものトラックが国境を越えているのだから」と話す。

■家電や自動車会社が利用

連邦運輸統計局(BTS)によると、17年はメキシコからの輸入品の69%がトラックで運ばれ、両国間を往来した貨物量は価値にして557億ドルと前年比で6.1%増加。最も多かった品物は自動車と部品だった。両国間の最大の窓口となっているのは、全体の70%に相当する約3900億ドル分の貨物が動いたテキサス州で、メキシコのヌエボ・ラレド〜テキサス州ラレド間を210万台以上のトラックが往来した。2番目に多かったサンイシドロの数マイル東に位置するトラック向けオテイメサ国境検問所の通過量の約2.3倍に相当する。

ティフアナ〜サンディエゴ国境は、メキシコとカリフォルニアの地域貿易の重要な玄関口で、閉鎖が長引けは、家電や自動車大手の供給チェーンにより大きな影響を与える可能性がある。データ調査のパンジバ(Panjiva)によると、サム スン電子、トヨタ、ソニーといった企業は同国境を通るトラックで18年9月までの12カ月に約340億ドルの荷物を動かしており、前年から5%増加している。

ただし、運輸コンサルタントのギャリー・ニコルズ氏は、12月はメキシコからの出荷が減速するのが通例で、ほとんどの米年末商戦向けの商品はすでに運ばれており、メキシコ工場や税関ブローカーの多くはクリスマス周辺に数日間閉鎖す る傾向にあると指摘する。ほとんどの米運輸大手も、12月半ばから下旬はドライバーやトラックが国境付近で立ち往生するのを避けるため、メキシコ向けビジネスの多くを閉鎖するという。

ニコルズ氏は「国境が閉鎖されればトマトが少し高くなり、家族を訪問できない人が増える可能性があるかもしれないが、個人的な意見としては、貿易への影響は誇張されていると思う」と語った。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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